皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。 このコラムでは、お口の美容と健康をテーマに、皆様のお役に立てる情報をお届けできるよう努めてまいります。
- テトラサイクリン歯のせいで、歯の色がずっとコンプレックスで……
- ホワイトニングで白くしたいけど、本当に効果があるのか不安で一歩踏み出せない
- 自分の歯の変色の程度でも、ちゃんと白くなるのか具体的に知りたい
テトラサイクリン歯の独特の色合い、本当に気になりますよね。ホワイトニングで白くしたいけれど、効果があるのか、どのくらい白くなるのか、確かな情報が少なくてお困りではないでしょうか?
この記事では、長年テトラサイクリン歯の治療に携わってきた歯科医師が、ホワイトニングの効果の限界や、変色の程度によってどの程度白さを期待できるのか、具体的な分類を交えて詳しく解説します。
当院デンタルサロン・プレジールは、審美歯科治療で3,000件以上の実績があり、テトラサイクリン歯の患者様のホワイトニングも数多く手がけてまいりました。その経験と知識に基づいた情報をお届けします。
テトラサイクリン歯とは?変色のメカニズムと放置するリスク

テトラサイクリン歯の原因である「テトラサイクリン系抗生物質」は、昭和40年代を中心にマイコプラズマ肺炎や百日咳などに有効な薬として、また風邪薬のシロップなどにも使われていました。
このテトラサイクリンが胎児期や永久歯の形成期(出生直後~8歳頃まで)に体内に取り込まれると、歯の内部にある象牙質に沈着します。歯の主成分であるカルシウムと強く結びついたテトラサイクリンは、太陽光に含まれる紫外線に当たることで光化学反応を起こし、徐々に色が濃くなってしまうのです。これが、テトラサイクリン歯の変色のメカニズムです。
変色の度合いはテトラサイクリン系抗生物質を投与された期間や量により異なり、グレー系、イエロー系、暗紫色、ブラウン系など、様々な色調を呈します。
重要なのは、この変色は歯の内部(象牙質)で起きているため、毎日の丁寧な歯磨きだけでは残念ながら白くすることはできません。
放置しても色が自然に改善することはなく、むしろ紫外線によって徐々に濃くなることさえあります。見た目のコンプレックスから、人前で話すことや笑うことに消極的になってしまうなど、精神的な負担を感じ続ける方も少なくありません。

なるほど、テトラサイクリン歯は表面の汚れではないから歯磨きでは白くならないのですね。見た目も気になるでしょうし、そのままにしておくとどうなってしまうのでしょうか?

そうですね、変色の進行は個人差がありますが、何よりもコンプレックスが深まり、笑顔に自信が持てなくなるなど、QOL(生活の質)に影響が出ることが心配です。早めの対処が大切ですよ
テトラサイクリン歯の基本的な情報については、こちらの「抗生物質で歯が変色?テトラサイクリン歯の原因と改善法5選」もあわせてご覧ください。
ホワイトニングでどこまで白くなる?変色4段階と効果の目安

テトラサイクリン歯のホワイトニング効果については世界中で研究されており、1987年にFeinman医師らが提唱した「変色分類」が、現在も治療効果を予測する上での目安として広く用いられています。この分類は、変色の度合いを4段階に分けて評価するものです。
テトラサイクリン歯の変色分類とホワイトニング効果の目安
色調・特徴 | ホワイトニング効果の期待値 | |
---|---|---|
F1 | ・淡い黄色、褐色、または灰色 ・歯全体が一様に薄く着色 ・縞模様は見られない。 | ある程度の白さを得られる可能性が高いと考えられます |
F2 | ・F1よりも色が濃い黄色、褐色、または灰色 ・歯全体が一様に着色 ・縞模様は明確ではない | ある程度の白さを得られる可能性が高いと考えられます |
F3 | ・濃い灰色や青みがかった灰色 ・はっきりとした縞模様が見られる | 色自体は明るくなるものの、多くの方が期待する「真っ白」な状態にはなりにくいことが多いです。審美的な満足度は低くなる可能性があります。 |
F4 | ・着色が非常に強く、縞模様も極めて明白である | 色自体は明るくなるものの、期待する「真っ白」な状態にはなりにくいです。審美的な満足を得ることは難しい場合が多いです。 |
- 近年では、縞模様の有無よりも主に色調の濃さで判断する傾向もあります
個人差はありますが、上記の表の通り、一般的にF1~F2までの段階であれば、ホワイトニングである程度の効果が期待できます。
それに対し、F3以上に分類される場合は、ホワイトニングを行っても期待したほどの効果が得られないことが多いのが現状です。誤解しないでいただきたいのは、「F3以上では全く効果がない、白くならない」というわけではないということです。
F3やF4の方でも、ホワイトニングを行うことで歯の色自体は明るくなります。しかし、多くの方がホワイトニングに期待する「輝くような白い歯」というレベルには到達しにくいため、審美的な満足度としては低くなってしまう可能性があるのです。
ホワイトニングは、薬剤(主に過酸化水素や過酸化尿素)を用いて歯の内部にある色素を分解し、歯を白くする方法です。エナメル質を漂白し、その構造を変化させることで光の乱反射を起こさせ、象牙質の濃い色が透けて見えるのを防ぐ効果も期待されます。
しかし、テトラサイクリン歯のように象牙質自体が強く変色している場合、その効果には限界があります。

変色の段階によって効果の期待値が変わるのですね。F3以上だと、ホワイトニングだけでは難しいかもしれない、ということでしょうか?

はい、その通りです。患者様がどの程度の白さをゴールとされるかにもよりますが、F3以上の場合は他の治療法も視野に入れた方が、より満足のいく結果に繋がりやすいですね
ホワイトニング効果に満足できない場合の4つの代替治療法

テトラサイクリン歯の変色分類によるホワイトニング効果の期待値は、あくまで一つの目安です。F1やF2の方でも必ずしも満足のいく白さになるとは限りませんし、稀にF3でも予想以上の効果が出ることもあります。
ご自身の歯がどの程度の効果を期待できるか正確に知るためには、やはり経験豊富な歯科医師による診察と診断が不可欠です。
デンタルサロン・プレジールでは、ホワイトニングの適応診断や効果予測も行っております。 ぜひ一度ご相談いただき、最適な治療法を一緒に考えるきっかけにしていただければ幸いです。
ホワイトニングで期待する効果が得られそうにない場合や、より確実な白さを求める場合には、以下のような歯を白く見せる治療法があります。 それぞれの特徴を比較してみましょう。
ホワイトニング以外の歯を白くする治療法比較
それぞれの特徴を比較してみましょう。
治療法 | 特徴・概要 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|---|
歯面コート | 歯の表面に白い歯科用樹脂を薄くコーティング | ・手軽に一時的に歯を白く見せられる ・イベント時などに適している | ・持続期間が短い ・食事や歯磨きで剥がれやすい ・根本的な解決にはならない |
ラミネートベニア | 歯の表面のエナメル質をごく薄く削り、セラミック製の薄いシェルを装着 | ・歯の色を大きく改善できる ・耐久性がある程度期待できる | ・健康な歯を削る必要がある(元に戻せない) |
ティーシーズ | 歯を削らずにオーダーメイドの極薄セラミックシェルを装着 (当院独自) | ・歯を一切削らない ・理想的な白さと形を短期間で実現 ・テトラサイクリン歯にも多くの実績あり | ・全ての症例に適応できるわけではない ・歯科医師による精密な診断が必要 |
クラウン | 歯全体を削り、セラミック等の人工歯を被せる | ・重度の変色や歯の形も大きく改善可能 ・セラミック素材なら非常に審美的 | ・歯を削る量が最も多い ・場合によっては神経の処置が必要になる可能性がある |
各治療法について、もう少し詳しく見ていきましょう。
歯面コート(トゥースマニキュア)
手軽さが魅力ですが、効果は一時的です。大切なイベント前など、短期間だけ歯を白く見せたい場合に選択肢となります。
ラミネートベニア
歯の表面を薄く削ることで、より本格的に歯の色や形を整えることができます。ただし、一度歯を削ると元には戻せません。
ティーシーズ
当院デンタルサロン・プレジールが提供するティーシーズは、ラミネートベニアの「歯を削る」というデメリットを克服した独自の治療法です。患者様一人ひとりの歯の形や色に合わせてオーダーメイドで作製した極薄のセラミックシェルを、歯を削ることなく表面に貼り付けます。
歯への負担を最小限に抑えつつ、理想的な白さと美しい歯並びを短期間で実現できます。テトラサイクリン歯でお悩みの方にも多くの実績があります。
クラウン(被せ物)
歯を全体的に覆うため、色の改善効果は非常に高いですが、歯を削る量が多くなります。重度の変色や、歯の形も大きく変えたい場合に検討される治療法です。

ホワイトニング以外にも色々な選択肢があるのですね。特にティーシーズは歯を削らないというのは、患者さんにとって大きなメリットになりそうです

ええ、歯をできるだけ傷付けたくないという方には、ティーシーズは大変喜ばれています。それぞれの治療法にメリット・デメリットがありますので、丁寧にカウンセリングを行い、ご希望に最も合う方法をご提案しています
まとめ:テトラサイクリン歯でも諦めないで!まずは専門医にご相談を

テトラサイクリン歯の色でお悩みの場合、その変色の程度によってはホワイトニングでご満足いただける効果が得られないこともあります。 しかし、ホワイトニング以外にも歯を白く、美しく見せる治療法は複数あります。
最も大切なのは、ご自身の歯の状態を正確に把握し、それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解した上で、ご自身が納得できる治療法を選択することです。
そのためには、テトラサイクリン歯の治療経験が豊富な歯科医師に相談し、カウンセリングを受けることが第一歩となります。
デンタルサロン・プレジールでは、ホワイトニングの効果判定はもちろん、ティーシーズをはじめとする他の治療方法を含めた総合的な対応を患者様と一緒に考えてまいります。
あなたのテトラサイクリン歯の悩み、私たちに相談しませんか?

- 私の歯の色、本当に白くなるのかな……
- どの治療法が自分に合っているのか、専門家の意見を聞きたい
- 費用や治療期間についても詳しく知りたい
もしあなたがテトラサイクリン歯のことで一人で悩み続けているなら、諦めてしまう前に、まずは一度デンタルサロン・プレジールにご相談ください。
そのまま放置していても、歯の色に対するコンプレックスが自然に解消されることは難しいかもしれません。 むしろ、時間が経つほどに「もっと早く相談すればよかった」と感じる方もいらっしゃいます。
当院では、無料カウンセリングを実施しております。 7,000件以上の審美歯科症例を持つ院長が、あなたのお悩みやご希望を丁寧にお伺いし、最適な治療プランをご提案いたします。
早期にご相談いただくことで、よりご自身の希望に沿った形で、自信に満ちた笑顔を取り戻すお手伝いができると信じています。