雨の日や気圧の変動で、頭が痛くなったり、体調が優れなくなる方は多いでしょう。それと同様に、こうした気候や環境の変化で”歯が痛くなる”という方も多いのです。これは一体なぜなのでしょうか?
「天気の悪い日に歯が痛くなる」という症状は、古くは江戸時代から記述があるそうですが、長い間、医学的な証明はなされておらず、実は現在でも、まだ明確な解明はできていないそうです。
しかし近年では、”雨などによる気圧の変化”が要因ではないかという説が有力になっています。歯の内部を見ると、中心に「歯髄腔(しずいこう)」と呼ばれる神経(歯髄)を収めた空間があり、その周りを象牙質が覆い、さらにその外側をエナメル質が包む、という3重構造になっています。
この歯髄腔(しずいこう)、普段は外の気圧と同じになるように保たれているのですが、雨などにより短時間で気圧が変化すると、調節が間に合わず外の気圧と歯の内部に気圧差が生じてしまい、内部から歯に圧力が加わり、それが歯の痛みにつながるようです。
もちろん、全ての人が雨で歯が痛くなる、というわけではありません。もし雨や気圧の変化で歯が痛くなった経験のある方は、虫歯や虫歯の治療中、歯茎や歯の根っこに膿がたまっているなど、歯の異常により、中の神経が敏感になっている可能性があります。
また、すでに治療が完了している場合でも、数年経つと詰め物や被せ物の小さな隙間から細菌が侵入し、再び虫歯になってしまうケースもあります。
雨の日に違和感がある方などは、一度歯医者さんへ検診に行き、虫歯が再発していないかなど検診をしてもらうと良いでしょう。それ以外にも梅雨になる前や、気圧が変わる登山や飛行機でのお出かけ前などに通院しておくのも予防策につながりますよ!
さて、すぐに痛みを治したい!という時は、鎮痛剤が効果的。虫歯の治療にて処方してもらえるほか、薬局でも販売していますが、所持していない時に飛行機などで痛みを感じた場合は、事情を説明すると提供してもらえることもあります。
また、一度この「気圧の変化による歯の痛み」を経験すると、梅雨や前述の登山や飛行機などで「また痛くなるかも」と不安になる方が多いです。こうした精神的な負荷が、かえって痛みを促進させてしまう場合もあるので、過去のもので治療済みであれば、心配し過ぎず、精神的な余裕を持つことも大切です。
いかがでしたか?
気圧の変化や雨による歯の痛みは、日頃から歯のケアをしっかりすることで予防できるもの。痛くなるまで歯科医院に通院しない方がほとんどだと思いますが、ぜひセルフケア以外にも、定期的なプロの検診も検討してみてくださいね♪
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。