自分の歯を守り、お口の中の健康を守るためには、自宅での正しいセルフケアと、歯科医院での定期的な健診が重要です。
ここでは、トラブルに早く気付くためのポイントや、セルフケアの具体的な方法、定期健診の重要性について解説します。
目次
歯周病は早期発見が重要
歯周病は、歯と歯茎のあいだに歯垢や歯石が溜まり、その中にいる歯周病菌が歯茎に炎症を起こすことによって発症します。症状が進むと、次第に歯を支える歯茎や歯槽骨が破壊され、最終的には歯がぐらついて、骨から抜け落ちてしまいます。日本人が歯を失う2大原因は虫歯と歯周病ですが、特に歯周病は本人に自覚症状がないまま進む「サイレント・ディジーズ(静かな病気)」であり、気付いたときにはかなり進行していて手遅れになっているケースが少なくありません。
歯周病の進行を防ぐには、歯茎に炎症が起き始めた「歯肉炎」の段階で気付いて、治療することが大切です。
では、一般財団法人日本口腔保健協会によるチェックシートを使って、歯周病のセルフチェックをしてみましょう。
下記の項目について1つでも該当する場合は、速やかに歯科医師や歯科衛生士に診てもらうことをおすすめします。
■歯周病の初期症状に気付いていますか?
・朝起きたときに、口がネバネバする
・口臭を感じる、口臭があるといわれる
・歯の根元がしみる
・歯と歯のあいだによく食べ物が挟まる
・歯垢、歯石がついていると思う
・歯磨きをすると歯肉から血が出る
・歯が長くなったように見える
・固い物を噛むと痛い、噛めない
歯のために役立つ「正しい習慣」を知る
歯周病は、口腔内の健康を守るために役立つ習慣を知り、正しいセルフケアを行うことによって予防することができます。最初に、現時点でどれくらい正しい習慣を行うことができているか、先ほどと同じ日本口腔保健協会によるチェックシートで確認しましょう。
以下に挙げる8つの“健口習慣”について、「はい」「いいえ」で答えてください。
■健口習慣、いくつ実行していますか?
・1日1回は丁寧に歯を磨いている
・歯と歯肉の境目を磨くようにしている
・デンタルフロスや歯間ブラシを使う
・甘い飲み物や食べ物を控えるようにしている
・口の中を鏡でよく見るようにしている
・よく噛んで食べるようにしている
・1年に1回以上、歯石を取ってもらっている
・かかりつけ歯科医がいる
いかがでしょうか。
同協会では、8項目のうち5つ以上の「はい」があることが望ましいとしています。もし、「はい」が5つに満たなかった場合は、セルフケアを見直してみることをおすすめします。
歯のセルフケア
では、歯を守るために身に付けたい正しい習慣について、具体的に確認していきましょう。
磨き残しがないように意識してブラッシングする
最も代表的なセルフケアは、歯ブラシによるブラッシングです。
だらだらと時間をかけて磨いたり、何度も磨いたりするより、食べた後すぐに磨くこと、磨き残しがないように気を付けて磨くことを意識しましょう。
歯ブラシの長さや毛先の形状も、歯や歯肉の状態に合わせて選ぶことが大切です。
歯ブラシ以外のオーラルケアグッズを使用する
歯ブラシの毛先が届かない場所は歯垢が溜まりやすいので、オーラルケアグッズを使いましょう。特に、奥歯が噛み合う部分や歯と歯茎の境目、歯と歯のあいだなど、汚れが溜まりやすい部分は、フロスや歯間ブラシを使って汚れを取ることをおすすめします。
食生活を見直す
食生活において重要なのは、噛む回数が少なくてすむ軟らかい食べ物よりも、噛み応えのある食べ物を、よく噛んで食べることです。
糖分は虫歯菌の活動を活性化させるため、食べた後はすぐに歯を磨くか口をゆすぐようにしましょう。また、食べ物をよく噛むと、細菌を洗い流す唾液が多く分泌され、口の中を清潔に保つことができます。唾液には口腔内を中性に保つ緩衝作用があるので、虫歯菌が出す酸を中和させ虫歯の進行を抑えます。
鏡を使って、歯や歯茎の状態を確認する
セルフケアの目的のひとつは、歯周病や虫歯を早期に発見することです。普段からお口の中をこまめにチェックし、健康な状態を知っておくと、歯の黒ずみや歯茎の腫れといった異常のサインに気付くことができるようになります。
お口の健康を守るのは、定期的な健診とセルフケア
お口の健康を維持するコツは、セルフケアと専門家のケアを同時に取り入れることです。
普段から正しい習慣を意識し、自覚症状がなくても半年に1度、1年に1度といったスパンで定期健診を受けましょう。歯科医院でプロのチェックを受ければ、セルフケアだけでは気付きにくいトラブルを初期段階で発見できるほか、ブラッシングや食生活などへのアドバイス、適切な治療などを受けることができます。歯や口腔内に起こりうる、大半の問題はクリアできるといっていいでしょう。定期健診のタイミングをはがきなどで知らせてくれる歯科医院も多いので、忘れずに受診をして、歯とお口の健康を守りましょう。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。