「歯列矯正は痛かった」という話を聞くと、「痛み」の度合いが気になるところです。歯列矯正は歯を動かす治療なので、まったく痛みがないということはありません。しかし、その痛みのほとんどは、日常生活に影響を及ぼすほどではなく、痛みを感じやすいタイミングと対策を知っていれば十分対処できるものです。
歯列矯正によって痛みを感じる期間と、その対処法についてご紹介します。
目次
歯列矯正はずっと痛い?
結論から申し上げますと、歯列矯正をしたらずっと痛いということはありません。歯が動く時に痛みを感じるため、痛みや違和感を感じるのは装置を装着してから3~6時間後。その後、翌日から翌々日にかけて痛みのピークを迎えます。
痛みのピークを迎えると、「いつまでこの痛みが続くのだろう」と不安になりますが、装置を装着して3日後から痛みが引いていきます。個人差はありますが、1週間経つ頃にはほとんど痛みを感じなくなります。
痛みを感じなくなると言っても、矯正装置の再調整や、新しい装置を装着した際にはまた痛みを感じます。しかし、歯が動くにつれ徐々に痛みは軽減され、最終的には痛みは感じなくなり、矯正装置の違和感だけが残るでしょう。
歯列矯正で痛みを感じるタイミングは4つ
歯列矯正をしていて痛みを感じるタイミングは、大きく以下の4つに分類されます。
歯が動くときの痛み
矯正装置を装着すると歯に力がかかり、歯が動き始める段階で痛みを感じます。痛みは、矯正装置を初めてつけたり、再調整したりしたときに起こりやすく、特に初めて装着したときは痛みが1週間程度続くこともあります。
しかし、矯正治療を続けていると少しずつ慣れてきて、痛みを感じても調整後3日ほどで治まるようになり、「痛み」というよりは「違和感」というレベルに変わるでしょう。それでも、どうしても耐えられないときは、以下の方法を試してみてください。
・痛みを感じる部分を皮膚の上から冷やす
・氷水などでお口の中を冷やす
・痛み止めを飲む
食事をするときに感じる痛み
最初に挙げた「歯が動くときの痛み」があると、食事のときも痛みを感じやすくなります。この痛みも次第に引いてきますが、耐えられないときは食事のメニューを工夫してみましょう。風邪をひいたときの食事のように、野菜スープや雑炊といった「歯に負荷がかかりにくい柔らかい食事」がおすすめです。
矯正装置があたって発生する痛み
しゃべったり、物を噛んだりするときに矯正装置が口腔内に接触して生じる痛みもあります。しばらく経っても治まらない場合は歯科医院に行って調節してもらうか、専用のワックスを処方してもらって摩擦を減らしましょう。
装置が気になって、口内を噛んでしまうことによる痛み
矯正装置は、いわば異物です。初めて装着してからしばらくはその存在が気になり、無意識のうちに舌で触ろうとしたり動かそうとしたりして口内を噛んでしまうことがあるかもしれません。噛んだ部分が口内炎になって一時的に痛みが増す場合もありますが、装置に慣れることで減っていくでしょう。口内炎がひどくなってしまった場合は、専用の薬を処方してもらってください。
歯列矯正の痛みは、一時的なもので長くは続かない
歯列矯正をして痛みを感じると、「このままずっと痛みが続くのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、前述したとおり、痛みには波があります。「一刻も早く消えてほしい」と思うのは当然ですが、あまり焦らずに、まずはご紹介した対処法を試してみてください。
その上で、どうしても耐えられないと感じたときは、歯科医院に調節してもらうことも可能です。歯列矯正にある程度の痛みは付き物。治療が終わってきれいな歯並びを手に入れたときのことを想像して、痛みがある期間を乗り越えましょう。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。