医師が教える「前歯が折れた」場合の2つの治療法、自費診療と保険適用の治療のメリットデメリットについて

もし、あなたの前歯が折れてしまったら？
皆様はどのような対処を行いますか？

前歯は特にお口で一番目立つ場所であり、お顔を印象づける、大事な歯です。

もし、その歯が欠けてしまったら・・・
今回はそんな緊急事態における対処法と、美しい歯に戻すための治療法についてデンタルサロンプレジールの歯科医師、中村がお話致します。

痛みが無いから放置、はNG。歯が折れた場合のリスクについて

歯は、折れてしまっても痛みがない場合もあります。
その場合は、忙しかったりして歯科に行けない場合、放置してしまうこともあるかもしれません。
ですが、それはリスクの高い行為であり、医師の目から見るとNGです。
歯はエナメル質、象牙質という硬い組織でできていますが、折れてしまうとエナメル質の場合はエナメル質に細かな傷ができ、象牙質では象牙細管という細い管が露出した状態になります。
そこに細菌が入り込み、むし歯が進行しやすい状態になるのです。放置するとしみたり、痛みが出やすくなります。
できる限り早く歯科医師による治療を受けることをおすすめします。

今回は前歯治療についてお話します。

前歯が折れた場合の治療法を2つ紹介

前歯の欠けが具合が小さく、痛みのない場合：歯科用レジンによる治療

前歯の欠けた部分が小さく、表面のエナメル質、象牙質のみが欠けた場合で見ためにも影響の少ない場合は歯科用レジンという合成樹脂で歯の色に合わせて修復することができます。
すでに神経の治療をした歯の場合、痛みが出ないことが多いです。
その場合は前歯の欠けた部分の大きさに合わせて、欠けが小さい場合はレジンの詰め物を行います。神経を取って長く経ってしまった歯はもろくなっているため、欠けが大きい場合は歯全体をかぶせます。

前歯が欠けて神経が露出し、痛みがある場合：神経を取って歯をかぶせる治療

歯はエナメル質、象牙質で覆われていますが、前歯が大きく欠けて象牙質の内側にある神経が露出してしまった場合は痛みがでますので、神経をとる治療が必要になります。
その後神経の入っていた管に薬を入れた後、歯の土台を作って、歯をかぶせる治療を行います。

前歯をかぶせるなら保険で？それとも自費診療でセラミック？2つの治療法について

前歯ですから、見た目も大事になってきますね。
前歯治療では保険でできるものと審美歯科で多く行われているセラミック治療があります。

この２つについてお話していきます。

保険適用：プラスチックによる前歯の治療について。メリット、デメリット。

保険のかぶせ物は金属を土台にしてプラスチックを張り付けています。
プラスチックは口の中で水分を吸収して劣化しやすくなり、変色していきます。
また、プラスチック表面は歯磨きや食事の時に傷がつきやすく、そこにプラークが付着して着色もしやすくなります。
お口の中は酸やアルカリ、熱い、冷たいなど過酷な環境のため、土台に使っている金属が徐々に劣化していきます。
金属やプラスチックが劣化することで、表に張ってあるプラスチックが剥がれてしまうことがあります。
セラミックは一つの材料から作られるので、お口の中で収縮することもなく、水分があるところでも安定しており、色が変わることがありません。

色合わせですが、保険の前歯ではプラスチックを単色で使うため、周りの歯の色が濃い場合や、まだらな歯の色の場合はプラスチックでは色が合わせづらく周りの歯から浮いてしまうことがあります。
セラミックでは色をつけたり、透明感をだすこともできるため、周りの歯と合わせることが可能です。

自費診療：セラミックによる前歯の治療について。メリット、デメリット。

審美歯科ではセラミックだけで治療を行うオールセラミックという治療が多く行われています。
金属を使うことで起きていた歯や歯茎の変色、金属アレルギーを防ぐことができます。
セラミックは透明度が高く、元の歯の色と合わせることができ、より自然な仕上がりになります。劣化や吸水性がないため、プラスチックと比べ、変色や虫歯の心配がありません。
しかしながら、オールセラミックのようによりよい材料を使う場合は自費治療になるため、保険治療と比べて高価格となります。
保険治療では安価で白い歯を入れることができますが、長期的に使っていくうえでやり直しが必要になるかもしれません。
オールセラミックでは強度に優れ、劣化しにくい材料を使っていますので長い目で見ると決して高くないかもしれませんね。

美しく長持ちする歯を作ることをお考えの場合は、審美歯科でご相談されるとよいでしょう。

当院でも、オールセラミックによる治療を実施しております。
ご興味がある方は、お気軽にご相談下さい。