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テトラサイクリン歯とは?ホワイトニングでは改善できない症例と、その治療法、費用を徹底解説

2024.08.10

テトラサイクリン

テトラサイクリン歯の治療を検討するにあたってこんな疑問はありませんか?

  • テトラサイクリン歯はホワイトニングでは治せないの?
  • テトラサイクリン歯の治療では健康な歯を削らないといけないの?
  • テトラサイクリン歯の治療にかかる平均的な費用は?

結論から申し上げます。
重度のテトラサイクリン歯の治療ではホワイトニングでは治せません。
また、重度のテトラサイクリン歯に用いられるラミネートベニアでは健康な歯を削ってしまいます。
本記事ではテトラサイクリン歯とはどのようなものか、ホワイトニングでは改善できない症例とはどんなものなのか?そんな場合でもできる治療法とは何なのか?について具体的な治療法を、詳しくご紹介していきます。

テトラサイクリン歯とは

テトラサイクリン歯は、”テトラサイクリン系“という種類に分類される抗生物質の服用によって変色した歯のことです。
テトラサイクリン系抗生剤は肺炎や皮膚疾患などさまざまな感染症に用いられますが、歯の形成期にあたる0~12歳の間に服用すると、永久歯に濃いオレンジや灰色の変色がみられるようになります。
詳しくいうと、永久歯の形成期である出生直後から8歳頃までにテトラサイクリン系の抗生物質を多量に投与された場合、歯の着色、歯のエナメル質の形成不全、胎児や小児に一過性の骨発育不全などを起こすことがあるとされています。
テトラサイクリン系の抗生物質は、鉄や亜鉛、カルシウムなどの金属類と強く結合する性質がありますが、形成中の歯に含まれるカルシウムと結合すると歯に沈着します。
歯に沈着したテトラサイクリンは紫外線に当たることにより酸化して色が濃くなります。
このような原因で変色が起こっても歯自体の健康には関係ありませんが、通常の歯とは異なる色合いになっていきます。
よく見られる色のタイプとしては、グレー系統、イエロー系統からブラウン系統に分かれます。また左右対称に縞(しま)模様が見られる事が多いです。
テトラサイクリン系の抗生物質は、かつてはマイコプラズマ肺炎や百日咳、風邪薬や乳幼児の薬として用いられていましたが、耐性菌(テトラサイクリン系抗生物質が効かない細菌)が出来やすいことが判明し、また、歯に変色を生じることが認められたため、現在ではほとんど使われなくなっています。
このため、テトラサイクリン系抗生物質による歯の変色は、使用頻度の高かった昭和40年代に生まれた世代にもっとも多く見られます。
このような副作用がわかっている現在は、妊娠中や授乳集の女性ならびに永久歯の形成時期における小児への使用は少なくなっています。

テトラサイクリン歯の進行度合いの分類

テトラサイクリン歯は変色の度合いに応じて第一度から第四度に分類され、数字が大きくなるほど変色の度合いが強くなります。

第一度

淡い黄色・褐色・灰色の変色が歯全体に一様にみられます。ただし縞模様はみられません。

第二度

第一度よりも濃い色の変色が歯全体に一様にみられます。ただし縞模様はみられません。

第三度

濃い灰色、青みがかった灰色に変色し、縞模様がみられます。

第四度

全体的に歯の変色が強くあらわれ、縞模様も顕著になります。

テトラサイクリン歯の治療は保険適用?適用外?

テトラサイクリン歯を歯科医院で治す場合、その治療法の多くは保険適用外(自費診療)となります。
テトラサイクリン歯の治療は、保険適用外の薬剤によるホワイトニング治療が一般的です。
ただし、先程もお話したように濃い色に変色した重度のテトラサイクリン歯の方は、ホワイトニングでは残念ながら色を白くする効果が期待できません。
一方で被せ物は保険が適用できるものもありますが、使用する材質が限られています。
どの治療法を選択するかについては個々の症例によっても異なるため、現在の状態をふまえたうえで担当歯科医師とよく相談しましょう。

テトラサイクリン歯の治療にはどのようなものがあるのか?

保険治療以外では、テトラサイクリン歯の改善には、「ホワイトニング治療」「ラミネートベニア」「ティーシーズ」の3つの治療法があります。

ホワイトニング治療

ホワイトニングは薬剤の効果によって歯を漂白する治療法で、軽度のテトラサイクリン歯ではある程度の効果が見込める場合もあります。
一方で、濃い色に変色した重度のテトラサイクリン歯の方は、ホワイトニングでは残念ながら色を白くする効果が期待できません。若干白くなったとしても縞が目立ってしまう場合もあります。
ホワイトニングには自宅でおこなう「ホームホワイトニング」と、クリニック内でおこなう「オフィスホワイトニング」の2つのタイプがあります。
ホームホワイトニングは薬剤を流し入れた専用のマウスピースを毎日一定の時間装着し、時間をかけて歯を白くするホワイトニング法です。
一方のオフィスホワイトニングは院内で薬剤を歯面に塗布したあと、レーザーなどの光を当てて薬剤を活性化させ、歯を白くしていきます。
効果が早くあらわれるのはオフィスホワイトニングですが、ホームホワイトニングには白さが長持ちしやすいというメリットがあります。
費用はホームホワイトニングが2~3万円前後、オフィスホワイトニングが3~5万円前後となります。

ラミネートベニア治療

ラミネートベニアは、歯の表面を0.3mm~0.5mmほど削り、歯科用接着剤で貼り付けることで、色や形、大きさ、すき間を改善する方法です。
イメージとしては“つけ爪”に近い感覚となります。テトラサイクリン歯ではホワイトニングで改善されないケースの治療によく用いられます。
また歯の形や歯並び(歯のすき間やねじれなど)が同時に治せるのもラミネートベニアの利点です。費用は前歯1本あたり10~15万円程度となります。

ティーシーズ

施術前

施術前

施術後

施術後

施術後

施術名
ティーシーズ 上の歯8本装着
施術の説明
ティーシーズは健康な歯を抜かず削らずに人工の歯を貼って色や並びの改善を図る治療法です。うっすらですが歯に横縞が入っている事がお悩みの患者様です。元の歯のお色よりワントーン白めの色を装着しています。
施術の副作用(リスク)
・個人差はありますが、施術後2~3週間程度違和感を生じる可能性があります。
・噛み合わせにより、ご自分の歯が露出する部分が生じます。
・歯ぎしりや食いしばりが強い場合には、ナイトガードをお勧めしています。
費用
456,000円(税抜)

ティーシーズは歯の表面にハイブリッドセラミック(セラミックにプラスチックを混ぜた素材)の薄い人工の歯を貼りつける治療法です
ティーシーズは、一人ひとり型取りした歯型に沿って専任の歯科技工所で製作し、非常に薄く違和感も少な目です。
「凹凸感がある」「1本だけ歯列から引っ込んで生えている」などの歯並びや歯の隙間の修正、欠けた歯の補正、ホワイトニングでは満足な効果が得られない歯の黄ばみ・黒ずみ、テトラサイクリン歯の悩みなど、幅広い悩みの解決に役立てることができます。
セラミックと少量の樹脂からなるティーシーズは耐久性が高く、のちに矯正治療などを行う際には、外して元に戻せるのもメリットです。
デメリットとしては歯の移動が必要な大きな歯列矯正には対応できないことなどが挙げられます。
つけ爪のような仕組みはラミネートベニアに似ていますが、ティーシーズの最大の特長は、歯を削ることなく“貼るだけ”で歯の色や形が変えられる点にあります。またラミネートベニアと同様に、歯の形や歯並びを整えることが可能です。
費用は前歯1本あたり57,000円(税抜き)となります。
テトラサイクリン歯にティーシーズを施術した実際の症例は以下を御覧ください。
>>症例集

まとめ

テトラサイクリン歯の中でも濃いグレーや縞模様を呈した重度のケースでは、ホワイトニングでの改善は望めません。
そのようなケースは、ラミネートベニアやティーシーズといった治療法により、色調のみならず歯の形態や歯並びまで美しく整えることが可能です。
価格や見た目(仕上がり)はもちろんですが、歯にかかる負担の大小も比較した上で治療法を選ぶようにするといいでしょう。
当院ではティーシーズとホワイトニングを提供しています。
テトラサイクリン歯の症例により、正しい診断が必要です。
ティーシーズの価格/メリットや、テトラサイクリン歯にティーシーズを施術した実際の症例は以下からご確認いただけます。
もしよろしければ、5分程度で読めるのでご一読ください。
>>ティーシーズの価格、メリット
>>症例集

  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。