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歯列矯正は大人になってからでも間に合います!!

2018.06.08

歯列矯正

皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。このコラムでは、毎回テーマをしぼって、皆様のお口の健康と美容に役立つ情報をお届けしています。

今回取り上げるのは「大人の歯列矯正」について。噛み合わせの良し悪しは、見た目だけでなく全身の健康にも影響するものです。歯並びをきれいにすることは、「顔全体のバランスを整える」「しっかり噛めるようになる」「歯磨きがしやすくなることで虫歯や歯周病の予防につながる」など、数々のメリットがあります。ただ、歯列矯正はどちらかというと「子供のときに行うもの」という印象が強いため、大人になってからの矯正は躊躇する人が多いのではないでしょうか。
大人になってからの歯列矯正は、成長期の子供とは違って歯の移動に時間がかかる、顎の骨までは修正できないなど、大人ならではの制約があるのは確かです。しかし、本人のモチベーションが高く治療をやり遂げやすいなど、大人ならではのメリットもあり、審美的な改善や老後に備えて歯を守りやすくなるなど、数多くの恩恵があります。
そこで今回は、歯列矯正を行うメリットと大人と子供の歯列矯正の違い、大人ならではの歯列矯正のデメリットなどについて、まとめてご紹介したいと思います。

歯列矯正を行うメリット

歯列矯正は「見た目を整えるもの」とのイメージがありますが、歯列矯正によって改善されるのは、何も見た目ばかりではありません。まずは、歯列矯正を行うメリットを再確認しておきましょう。

・歯の手入れがしやすくなる
歯並びが悪いと、歯間や凹凸部分に歯ブラシが届きにくく、磨き残しが出やすくなります。歯列矯正で歯並びが整うとブラッシングがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながります。

・よく噛んで食べられるようになる
歯並びが悪い状態では、一部の歯しか噛み合わないことも多く、うまく食べ物を噛み切ることができません。矯正の結果、すべての歯が噛み合うようになれば、小さく噛み砕く事が出来るため胃の負担も軽減されます。

・顎の負担が減る
歯並びが悪く、一部の歯しか噛み合わない状態だと、噛むときに顎や周りの筋肉に大きな負担がかかってしまいます。噛み合わせを修正することで、顎や周りの筋肉にかかる負担を減らすことができます。

・笑顔に自信が持てるようになる
当然ですが、歯列矯正をすると見た目に美しい歯並びになります。口元を気にせず笑えるようになったり、笑顔に自信が持てるようになることで性格が明るくなったり、人と接することが苦痛ではなくなったという人は多くいます。

・正しい発音ができるようになる
歯並びが悪く、歯のあいだに隙間があると「サ行」や「タ行」の音がうまく発音できない場合があります。歯列矯正を行うことで、聞き取りやすい正しい発音ができるようになります。

大人の矯正と子供の矯正の違い

大人と子供の歯列矯正における最大の違いは「顎の骨の成長を利用できるか否か」です。
子供の矯正は顎の骨がまだ成長中なので、顎の幅を拡大して永久歯が生え揃うスペースを確保したり、上下の顎のバランスを修正したりする、根本的な矯正が可能です。治療は、6~10歳ぐらいで始め、永久歯がきれいに生え揃うように顎の成長やバランスをコントロールする「第1期」の治療と、永久歯が生え揃った後に行う「第2期」の治療の2段階に分かれており、顎の骨を拡大できる分、抜歯が必要ない可能性も高く、矯正後の後戻りを最小限に抑えられるのが特徴です。

これに対し、大人の矯正治療は思い立ったときに実行できるので、その開始年齢はさまざまです。顔面の骨格はすでに完成しているので、顎の成長を促して大きさを変えることはできませんが、「成長による誤差がない分、イレギュラーが少なく、予定どおりに矯正が進みやすい」「自分で納得して治療を受けていることからモチベーションが高く、途中でくじけずに最後までやり通せる」など、大人ならではのメリットがあります。

大人の歯列矯正におけるデメリット

もちろん、大人の矯正治療にはメリットばかりではなく、大人ならではのデメリットやリスクも存在します。ただし、近年の技術の進歩により、かつてはデメリットとされていたことでも、今はしっかり対策をすれば問題にならないものも少なくありません。
大人の歯列矯正におけるデメリットは、およそ次のようなものです。

・痛みが強い
永久歯は顎の骨にしっかりと固定されているため、矯正装置をつけた最初のころは、強い痛みを感じることが珍しくありません。
対処法としては、痛みが強い場合は鎮痛剤を使うのがおすすめです。なお、矯正装置をつけていることに慣れることで、徐々に痛みは治まっていきます。

・歯の移動に時間がかかる
大人は顎の骨もしっかり固まっているため、個人差はあるものの、子供に比べて歯の移動に時間がかかるのが普通です。また、無理矢理移動させた場合、歯の根元の部分が露出して知覚過敏になることもありますが、症状は出てから数日で治まるのが一般的です。

・歯周病などの罹患者が多い
大人は子供に比べると、虫歯や歯周病など、口内の疾患を持っている割合が高いという問題もあります。虫歯や歯周病があると、先にそちらの治療を終えてからでないと歯列矯正に移ることができません。日々のブラッシングや歯科医院での定期健診などで予防することが大切です。

・矯正装置が仕事の妨げになる
矯正には1年~数年の期間がかかり、その間、ずっと矯正装置をつけている必要があります。そのため、「営業職なので目立つ矯正装置はつけられない」「他人に矯正していることを知られたくない」などの理由で、矯正をためらう人もいます。
しかし今は、歯の裏側にブラケット(ワイヤーを固定するための小さな金属器具)をつけるため、正面からは矯正していることがわからない「舌側矯正」や、取り外し可能なマウスピースで行う「アライナー矯正」など、さまざまな矯正法があるので、他人に気付かれないよう矯正することができるようになりました。

大人の矯正にはデメリットもある反面、子供の矯正にはないメリットもあります。
ほとんどの場合、デメリットを解消する術も用意されていますので、歯並びが気になるようなら、ぜひ一度、歯科医院で相談してみてください。


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。