コラム

Column

コーヒーは歯の黄ばみの原因!?着色汚れを予防する方法や日頃のケアについて

2024.09.30

PMTC

皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。このコラムでは、毎回1つのテーマについて、皆様のお口の健康と美容に役立つ情報をお届けしています。

さて、今回お話ししますのは「コーヒーによる着色汚れから歯を守る方法」についてです。朝や仕事の合間のリフレッシュタイムに飲む1杯のコーヒーは、毎日の生活に欠かせないという方もいらっしゃるでしょう。ただ、困ったことに、コーヒーには「たくさん飲むことで歯に着色汚れが起きやすくなる」というデメリットもあります。
今回は、いったいなぜコーヒーが歯の着色の原因になってしまうか、どうすれば着色汚れを防げるのかについてご紹介したいと思います。

コーヒーは歯の黄ばみの原因?着色汚れが起きやすいのはなぜ?

コーヒーが歯の着色汚れの原因となってしまうのは、歯とコーヒーに含まれる成分に関係があります。歯の最も外側はエナメル質で覆われていますが、このエナメル質の表面は、唾液によって作られた「ペリクル」という非常に薄いたんぱく質の膜で覆われています。
一方、コーヒーには、カフェインのほかに大量のポリフェノールが含まれています。このポリフェノールがペリクルに取り込まれて色素沈着が起こり、「ステイン」といわれる着色汚れの原因になるのです。

困ったことにステインは水に溶けないため、一度歯についてしまうと、水で口をゆすいだ程度では落ちてくれません。ついて間もないうちは、ブラッシングである程度落とすことができますが、時間が経つと徐々に落ちにくくなり、長い年月のうちに少しずつ溜まっていった結果、歯の黄ばみとなって表れてきます。なお、お茶などに含まれる「タンニン」にも同じような効果があり、メカニズムは違いますがタバコに含まれるヤニも頑固なステインにつながることがわかっています。

ステインができるのを防ぐ方法

コーヒーをよく飲む方は、ポリフェノールとペリクルが結び付きやすく、ステインが溜まりやすいので、そのままでは歯に着色汚れがつきやすい状態であるといえます。
白い歯を保つためには、普段からケアを心掛けたり、ステインが溜まる機会を減らしたりすることが重要です。コーヒーをよく飲む方は、次のような行動を心掛けてください。

ステインを溜めないためのケアを行う

着色汚れの原因となるステインを作らないためには、次の4つを守ると良いでしょう。

  • コーヒーを飲んだら歯磨きをする
    歯の着色汚れを防ぐために最も効果的なのは、ポリフェノールがペリクルと出会って色素沈着が起こる前に、ポリフェノールを流してしまうこと。言い換えれば、コーヒーを飲んだら歯磨きをすることです。「忙しくて歯磨きは無理」という場合には、コーヒーを飲んだ後に口の中をゆすぐだけでも効果があります。
  • 口の中の乾燥を防ぐ
    唾液には、歯の表面についた汚れや細菌を洗い流す役目がありますので、唾液の分泌量を増やし口内の乾燥を防ぐこともステインの蓄積防止につながります。口が乾燥していると感じたら、ガムやするめ、昆布などのよく噛む必要がある食べ物を食べて、唾液の分泌を促してみると良いでしょう。
    コーヒーを飲んだ後にうがいができないときは、唾液を口の中に行き渡らせるイメージで、舌先を使って歯をなぞるだけでも効果が期待できます。
  • 研磨剤入り歯磨き粉は使わない
    歯磨き粉に配合される研磨剤は、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを取り除くというメリットがある一方、歯の表面のエナメル質を削るため、歯の表面が凸凹になってしまうというデメリットもあります。
    歯の表面が凸凹になることは、着色汚れがつきやすくなることにもつながりますので、歯磨き粉は研磨剤が配合されていない物か、低研磨の物を選ぶのがおすすめです。
  • 口呼吸ではなく、鼻呼吸を意識する
    口呼吸を続けていると、口が乾燥しやすくなるため唾液が不足しがちになります。もし、特に何もしていないときやテレビを見ているときなどに口呼吸をしていることに気付いたら、意識して鼻呼吸を行うようにしてみましょう。
    唾液が増えることで着色汚れがつきにくくなるだけでなく、虫歯・歯周病の予防や風邪・インフルエンザなどに感染しにくくなることにもつながります。

差し歯・被せ物にセラミック素材を選ぶ

差し歯や被せ物の場合は、プラークやステインがつきにくいセラミック素材を選ぶことで、着色汚れをつきにくくすることが可能です。

裏技!? 透明なコーヒーを飲むという手も

「コーヒーは好きだけど歯が黄ばむのは嫌!」「どうしても着色汚れをなくしたい!」という人には、イギリスで開発された無色透明のコーヒーを飲むという手もあります。製造元の発表では、化学物質は不使用、高品質なアラビカ種の豆を使っており、歯の着色の悩みを解消すべく開発された物だとされています。
ここまで徹底しないにしても、コーヒーを飲む回数を減らすなど、ポリフェノールをとる機会そのものを減らすことが、着色汚れ防止に役立つのは確かです。

ついてしまったステインを落とす方法

一方、すでについてしまったステインを落とすには、歯科医院で受ける歯のクリーニング「PMTC」が有効です。PMTCはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医院で資格を持った歯科医や歯科衛生士によって行われる、専用の器具を使ったクリーニングのこと。日々のブラッシングでは取り切れない歯石、プラーク(歯垢)やステインを除去し、黄ばみのない歯にしてくれます。

PMTCの価格は歯科医院ごとに違いはありますが、歯周病治療の一環として受けるなどの場合を除いては、基本的に保険診療外となり、その価格は3,000~15,000円程度です。内容もさまざまですが、多くの歯科医院では歯科医師による診察と染め出し(薬剤を使って磨き残し部分をはっきりさせること)、ブラッシング指導、歯石除去、ステインを取り除く歯面清掃、虫歯予防のためのフッ素塗布がセットになっていることが多く、受診することで虫歯や歯周病の予防にもつながります。
当クリニックでは審美クリーニングメニューを4種類ご用意しております。患者様のお口の状態、ご希望にあわせてご提案させて頂いております。

コーヒーによる着色汚れや黄ばみは、飲んだ後のブラッシングやうがいなどちょっとした習慣で、ある程度抑えることが可能です。ぜひ実践してみてください。

  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。