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歯や口内の病気の予防に欠かせない「PMTC」とは?
皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。このコラムでは、毎回ひとつのテーマに沿って、皆様のお口の健康や口元の美しさに役立つ情報をお伝えしています。
さて、今回お話ししたいのは、歯科の有資格者が行う歯のクリーニング「PMTC」の効果についてです。PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医師や歯科衛生士などの有資格者が、専用の機器やペーストを使って行う歯のクリーニングのこと。スウェーデンの歯科医師が提唱した予防歯科の施術で、日々の歯磨きでは落としきれない汚れや歯垢(プラーク)を落とすことで、虫歯や歯周病の予防・症状改善に役立つものです。とはいえ、PMTCの内容やメリットについてよくわからないという人のほうが多いのではないでしょうか。
そこで、PMTCの内容や特徴、一般の治療との違い、PMTCを受けたほうがいい人、受けるまえの注意点など、PMTCを賢く利用する方法について、まとめてご紹介します。
PMTCとは?
PMTCを一言でいうと「歯科医師・歯科衛生士による予防を目的とした歯のクリーニング」です。その内容は歯科医院ごとに異なるので一概にはいえませんが、次のような手順で進むのが一般的です。
<PMTCの手順>
1. 歯や歯茎の状態を歯科医師や歯科衛生士が確認し、プラークの染め出しを行う
2. 「スケーラー」という専用の道具を使って、歯の表面についている歯石を除去する
3. 専用のブラシやペーストを使ってステインを落とし、歯の裏表を清掃する
4. 歯周ポケット(歯と歯茎のあいだにある溝)内を洗浄する
5. 歯に虫歯予防に役立つフッ素を塗る
歯石の除去などは、歯周病治療などの一環として行われるクリーニングと似ていますが、PMTCは「治療」ではなく「予防」が目的であることが大きな違いです。治療の一環として行われるクリーニングは、保険診療の対象となり、1回3,000円ほどですが、歯石除去などがメインで健康な人は受けられません。一方、PMTCは自由診療となり、1回およそ5,000~10,000円ほどの費用がかかります。
PMTCで防げる歯や口内の病気
PMTCは、次のような病気や症状を防ぐのに役立ちます。
虫歯
虫歯は、虫歯菌が歯の表面に細菌の塊であるプラークを作り、その中の細菌が酸を作り出すことで歯を溶かしてしまうことから起こる病気です。予防には、日々のブラッシングでプラークをきれいに落としてしまうことが重要ですが、株式会社ライオンが2014年に行った「歯磨きの意識と歯垢付着の状態」に関する調査では、「歯磨きに自信がある」と答えた人の約8割が「実はきちんと歯を磨けていない」との結果が出ています。
定期的にPMTCを受け、歯磨きでは落とし損ねたプラークを落とすことは虫歯予防に役立ちますし、万が一、虫歯になったとしても早期発見・早期治療につながります。
歯周病
歯周病は、虫歯と同じくプラークが原因で、この中の細菌が出す毒素のために歯茎が炎症を起こし、さらに症状が悪化すると歯の周りの骨が溶かされてしまう病気です。予防にはやはりブラッシングが重要で、PMTCで定期的にプラークをしっかり除去することで予防効果が期待できます。
口臭
口臭の原因はさまざまですが、口の中に残った食べかすやプラークも原因のひとつです。歯磨きで落としきれなかったプラークは、時間が経つと発酵して口臭の元となる臭いのあるガスを発生させます。また、歯周病菌も腐った玉ねぎのような不快な臭いを発生させ、口臭の原因になりますので、PMTCでプラークを取り除き、歯周病を予防することは、二重の意味で口臭の予防に役立ちます。
着色による歯の汚れ
歯の汚れは病気ではありませんが、PMTCでは歯の表面についている着色汚れを除去してくれるため、歯本来の色や艶を取り戻す効果もあります。
PMTCを受けたほうがいい人
さまざまな病気の予防効果が期待できるPMTCは、基本的に誰にでもおすすめできるものです。しかし、特に次のような人は、定期的にPMTCを受けたほうがいいといえるでしょう。
・インプラントを入れている人
インプラントは、チタンを使った人工歯です。それ自体が虫歯になることはありませんが、周囲に磨き残しがあり、プラークが溜まる環境が続くと、周りの歯茎や骨が炎症を起こし、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。PMTCで定期的にプラークを除去しておくと安心です。
・歯列矯正中の人
ワイヤーによる歯列矯正を行っている期間は、ワイヤーが邪魔になりますので、ブラッシングだけではなかなか歯の汚れを落とせません。その結果、プラークが溜まりやすい環境になりますので、定期的にPMTCを受けておくのがおすすめです。
・ブリッジを入れている人
ブリッジなどの義歯を入れている人にとっても、日頃自分では磨きづらい部分の汚れを落としてくれるPMTCはおすすめです。
PMTCの注意点
PMTC後に飲食できる?
PTMCは歯の表面を磨き、フッ素を塗布します。そのため、フッ素を浸透させるためにもPMTC後1時間は飲食を避けましょう。もちろん、歯磨きやうがいしないでくださいね。
PMTC後に避けた方がいい食べ物・飲み物は?
PMTCを行った後は歯のエナメル質を覆う膜がはがれた状態です。再び膜が歯の表面を覆うまで約24時間かかるのですが、この間は再着色が起こりやすくなります。そのため、PMTCを行ってから24時間は色の濃い食べ物・飲み物は避けるようにしましょう。
虫歯や歯周病がある人はそちらの治療優先で!
PMTCはあくまで予防が目的であり、健康な人が病気にならないために受けるものです。虫歯や歯周病を抱えている人は、それらの治療を受けることが先決です。例えば、歯周病治療で歯茎の奥に溜まっている歯石を除去するためにはPMTCではなく、外科的な治療が必要となるケースもあります。
プレジールのPMTC
プレジールでは「歯の審美クリーニング」を行っています。これは、一般的なPMTCの目的である歯の健康増進と虫歯・歯周病予防に加え、歯の美しさや白さ、歯茎や唇の美しさ、若々しさなども重視し、審美歯科的な施術を加えたオリジナルのメニューです。
具体的には下記の基本コースに、オプションで「歯の艶出し」や「リップエステ」などを加えることもできる、プレジールならではのヘルス&ビューティーケアとなっています。
<プレジールのクリーニング 基本コース>
1. 口腔内の診査と虫歯などのチェック、歯石の状況の確認など
2. 歯石、歯垢、着色汚れを落とし、超音波機器で付着物を除去する
3. 歯周部の歯垢を落とし、デンタルフロスで細部を丁寧に掃除する
4. 仕上げに専用ペーストを使い分けて歯の表面を磨く
未体験の人はぜひプレジールへ
PMTCは虫歯や歯周病の予防はもとより、健康で若々しい口元を作るためにも効果的なので、まだ利用したことがない人は、一度受けてみることをおすすめします。もちろん、プレジールではいつでもご相談に応じますので、どうぞお気軽にご連絡ください
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。