「歯が欠けた、またはぶつけてしまった歯が黒くなってきた…これってどういうこと?」</strong >
歯はとても丈夫なものである一方、強い衝撃や日々の習慣などによってダメージを受けると欠けてしまうこともあるデリケートなものでもあります。また、欠けなかった場合でも、外からは見えない部分である神経が死んでしまうと、歯は時間経過とともに黒く変色してしまいます。
欠けた歯や黒ずんだ歯は、後々、他の問題を起こす可能性が(健康な歯と比べると)高いので、早急に歯科医院を訪れて治療を受けたほうが良いでしょう。
この記事では「欠けてしまい黒くなってしまった歯」に対して、歯科医師がその対処法を解説します。
具体的には下記のようなことをお伝えします。
- 歯が欠けてしまったときにやるべきこと、やってはいけないこと
- 歯が欠ける2大原因と治療法
- 欠けた歯やぶつけた歯が黒くなる理由と対処法
本記事をご覧になって頂くことで「欠けた、またはぶつけてしまい黒くなってしまった歯」に対してどのようにするべきかがハッキリするはずです。そして早めに歯科医院に相談・治療することをオススメします。
目次
歯(奥歯)が欠ける2大原因と治療法
歯が欠けてしまう原因を大きく分けると「歯に大きな力が加わった場合」と「歯の健康が損なわれた場合」に二分されます。それぞれについて、詳しくご紹介しましょう。
歯に大きな力が加わった場合
歯に大きな圧力がかかると、耐え切れずに割れてしまうことがあります。
交通事故で歯を強打したり、スポーツの接触プレーでぶつかったりするなど、「外から直接的に力が加わった」場合はもちろんですが、「無意識の歯ぎしりや食いしばり」「ここ一番というときで奥歯をギュッと嚙み締めるといった習慣」も、歯に大きな負担をかける点では同じです。
歯ぎしりや食いしばり時に歯にかかる力は体重の2倍ほどで、無意識下の就寝時はその倍になるともいわれています。そのような接触を何度も繰り返すうちに、歯が削れたり傷付いたりしてしまうのです。噛み合わせが悪く、一部の歯しかうまく噛み合っていない場合も同様で、本来、複数の歯に均等にかかるべき力が1~2本に集中してしまうため、歯が傷みやすくなります。
治療法としては、欠けた部分に詰め物や被せ物をして保護するとともに、マウスピースを使って夜間の歯ぎしり・食いしばりの軽減を図っていきます。
歯の健康が損なわれた場合
エナメル質は非常に硬い物質ですが、酸に弱く、虫歯菌が出した酸により徐々に溶かされて、穴が空いてしまうことがあります。いわゆる「虫歯」ですが、この状態の歯は非常にもろくなっているため、硬い物を食べたり奥歯をグッと食いしばったりしたときに、欠けてしまうことが珍しくありません。また、酸性度の高い飲食物を多くとると発生する、歯が酸に溶かされてしまう「酸蝕歯」という症状になった場合も、同様のことがいえます。
治療法ですが、虫歯が原因のときは、まず治療を受けること。酸蝕歯が原因の場合は酸性の飲食物をできる限り控え、酸性を中和する効果を持つ唾液の分泌を促すことが治療の第一歩です。同時に、すでに溶けてしまった部分には、詰め物や被せ物をして治療します。
歯(奥歯)が欠けてしまったときにやるべきこと、やってはいけないこと
先にお話ししたような原因で歯が欠けてしまった場合、正しい対処法は、欠けた部位にできるだけ触らず、なるべく早めに歯科医院へ行くことです。可能であれば、欠けた歯を拾って清潔なガーゼやハンカチで包み、いっしょに持っていきましょう。欠片が大きく保存状態が良ければ、歯科用接着剤で元通りにつけられる場合もあります。
逆にやってはいけないのは、無理に自分で欠片を戻そうとしたり、欠けた場所を指や舌で何度も触ったり、欠けたまま放置することです。これらの行為をすると欠けた場所から虫歯菌が入り込み、歯茎の腫れや膿だまりにつながるリスクが高くなってしまいます。特に痛みを感じない場合も、できる限り早く歯科医院で診てもらってください。
欠けた歯やぶつけた歯が黒くなる理由と対処法
外部から大きな力が理由で歯が欠けると、色まで変わってしまうことがあります。また、何かに強くぶつけただけで欠けには至らなかったとしても、やはり色が変化する場合もあります。色が変わる理由はいくつか考えられますが、歯への血液供給の滞りや内出血、歯の内部が溶ける症状が発生したときは、黄色やピンク色になることが多いようです。
一方、グレーや黒に近い色に変わった場合は、神経が死んで象牙質に変性が起きた可能性があります。歯の中心には歯髄と呼ばれる神経が通っており、歯に栄養分や水分を供給しています。歯が強い衝撃を受けて神経が死んでしまうと(虫歯治療のために神経を取った場合も同様です)、歯は水分がなくなって徐々に黒ずんでいきます。欠けた(ぶつけた)直後は変化に気付かなくても、神経が死んだ歯は経年変化で黒ずんでいきますので、審美的な意味でも何らかの対策を行ったほうが良いでしょう。
たいへん残念なことですが、神経が死んで黒くなった歯の色を元に戻す方法はありません。しかし、セラミック製の被せ物を被せたり、プレジールの「ティーシーズ」など薄いセラミック製の板を歯の表面に貼ったりすることで、天然の歯のような外観にすることはできます。
また、歯をぶつけた(強い衝撃を受けた)ときは、(欠けに至らなかったとしても)根管治療が必要なことがほとんどです。たとえ見た目に変化がなくて痛みを感じない場合でも、自己診断で経過を見るのではなく、なるべく早めにかかりつけの歯科医院で診察を受けてください。なお、歯科医院ではレントゲン写真を撮った上で判断することになりますが、ぶつけ方や場所などをしっかり説明することも大切です。
奥歯が欠けた後色が黒い?原因と治療法を歯科医師が解説まとめ
いかがでしたでしょうか?
「欠けてしまい黒くなってしまった歯」に対してどのようにすべきかはご理解いただけましたでしょうか?
本記事ではこのようなことをお伝えしてきました。
- 歯が欠けてしまったときにやるべきこと、やってはいけないこと
- 歯が欠ける2大原因と治療法
- 欠けた歯やぶつけた歯が黒くなる理由と対処法
歯は、その表面を「エナメル質」という鉄よりもずっと硬い物質に覆われ、非常に丈夫な作りをしていますが、さまざまな事情によって欠けたり、黒く変色したりしてしまうことがあります。どちらも見た目が悪いだけでなく、虫歯になり易くなるなど、さらなる問題につながる危険性がありますので、できる限り早期に治療を行ったほうが良い状態です。
もちろん、見た目も悪くなってしまいますので、気になる方は当院(プレジール)にご相談ください。それぞれの状態を確認させていただいた上で、ティーシーズをはじめとするさまざまな治療をご提案いたします。
本記事があなたの悩みに対しての解決策が見つかるものになっていただけたら幸いです。少しでも早く、歯のに対して不安のない状態になることを願っています。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。