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歯を傷付けずに美しくする「削らない人工歯」とは?

2017.05.30

ティーシーズ

皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。
このコラムでは、お口の美容と健康に役立つ話題を、毎回ひとつのテーマを選んでお話しさせていただいています。この記事が少しでも皆様の歯の健康に役立てば幸いです。

今回お話ししたいのは、プレジールでもご相談の多い「歯に貼るタイプの人工歯」についてです。これは審美歯科の施術のひとつで、「薄い人工の歯を、歯科用の接着剤を使って歯に貼る」という方法です。元からある歯を削ったり、抜いたりすることなく「歯並びを調整」「形を整える」「銀歯や色素が沈着してしまった歯を白く見せる」ために行うもので、歯に付け爪をするイメージを持ってもらうとわかりやすいと思います。すきっ歯やテトラサイクリン歯(※)の色の改善など、さまざまな症状に対応することができます。
※歯の形成期にテトラサイクリン系の抗生剤を摂取したことにより、色素沈着が起こった歯のことをいいます。

「歯に貼るタイプの人工歯」のメリット

「歯に貼るタイプの人工歯」には次のようなメリットがあります。

侵襲が少なく、ホワイトニングでもできない白さ・美しさを手軽に手に入れることができる

ホワイトニングは、歯に沈着している色素を、薬剤を使って無色化することで歯を白くすることができますが、元々黄色味が強い場合や、色素の沈着が歯の奥のほうだった場合は満足な効果が得られない場合もあります。セラミッククラウンをかぶせれば真っ白で美しい見た目は得られますが、こちらは元の歯を大きく削る必要がある方法です。一方「歯に貼るタイプの人工歯」は、基本的にご自身の歯に貼り付けるだけですから歯へのダメージがほとんどなく、手軽に白い歯を実現できます。

安全な歯科用接着剤を使うのではがれにくく、補修も可能

人工歯と天然歯の接着には安全な歯科用接着剤が使われ、一般的に10年以上は使うことができます。万が一、取れたり欠けた場合も再接着、修理することが可能です。

治療が短期間で終了する

歯に大きなダメージを与えるような治療を行わないため、治療期間が短期間で済みます。歯科医院により多少違いはありますが、虫歯や歯周病などの事前治療が不要な方であれば、2回の通院ですべての治療が終わることが多いです。

適用できる症例が幅広い

「歯に貼るタイプの人工歯」は、歯の色を改善するだけでなく、歯間の隙間を埋めたり歯の大きさを整えたりすることにも使えます。すきっ歯やテトラサイクリン歯の治療のほか、歯の欠けや治療跡の色の差をカモフラージュすることが可能です。

一方、デメリットとしては、歯ぎしりやくいしばりが強い人の場合、割れたり欠けたりする可能性があることと、歯の移動を伴うような大幅な歯並びの改善はできないことが挙げられます。万能の治療法というわけではなく、歯の機能に関わる噛み合わせの修正などには向いていません。

従来は「歯を削る」タイプが主流。しかし「削らない」タイプも登場

従来の「歯に貼るタイプの人工歯」は、歯の表面を削る必要がありました。削る厚さは0.5mmほどであり、表面のエナメル質の範囲内ですから歯に与える影響はほとんどないといわれています。しかし、それでも健康な歯を削ることに抵抗を感じる人は多いですし、削った分だけエナメル質が薄くなることに変わりはありません。元々エナメル質の層が薄い人の場合、治療を受けたことで知覚過敏になってしまう例もあります。
また、将来歯列矯正を行うなどで人工歯を外したり、さらに優れた施術が誕生したときのことを考えて、自分の歯を削ることに躊躇したりする方も少なからずいらっしゃいます。

そこで最近では、このような「削る」ことへの不安を抱かせない、歯を極力削らずに貼るタイプの人工歯が登場してきました。最高級のガラスセラミックや、高い耐久性と優れた審美性を兼ね備えたジルコニアなどを素材とし、極薄の人工歯を作成する方法です。歯の表面の凹凸を利用して接着することで、従来のように歯を削らなくても治療が可能になっています。

審美歯科治療に限りませんが、歯は一度削ってしまうと二度と元には戻りません。「削る治療」を受けることは、治療後に「やっぱり元に戻したい」と思ったときや、将来より優れた施術法が確立されたときに、やり直しが難しいリスクを背負うことでもあります。その点、歯をまったく削らない治療法は、人工歯を外すだけで元の状態に戻ることが可能です。今後、より良い治療法が登場したとき、治療を一から考え直せることは大きなメリットといえるでしょう。

抜かない、削らない人工歯の先駆け「ティーシーズ」

注目の「歯を抜かない・削らない人工歯」ですが、その先駆けが、プレジールが提供している「ティーシーズ」です。これは、「健康な歯を抜いたり削ったりせずにきれいな歯になりたい」という患者様の声から生まれたもので、セラミックに樹脂を加えた耐久性の高い素材を使い、専任の歯科技工所が患者様専用の薄い人工歯を作成します。それを、歯科用接着剤を使って貼り付けます。ティーシーズは安全性が高く、欠けにくい素材でできていますが、万が一欠けた場合も「外さずにお口の中で修理する」ことが可能です。
プレジールでは、開院以来3,000件以上の審美歯科治療を行い、歯並びから歯の黄ばみ、黒ずみ、歯と歯のあいだの隙間、歯の欠けなど、多種多様な症例の治療にあたってきました。その豊富な診療実績がありますので、安心して治療を受けていただけると思います。

歯に貼るタイプの人工歯のデメリットで紹介したとおり、歯を削らない人工歯治療は、すべての歯の悩みに対応できるわけではありませんが、リスクを避け、将来より良い治療を受ける道を残すものでもあります。非常に有効な選択肢のひとつですから、ティーシーズに興味を持たれた方はぜひプレジールまでお問い合わせください。


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。