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健康な歯を削ってしまうまえに!知っておいてほしい歯を削ることのデメリット

2017.02.01

歯を削ること

皆様、こんにちは。デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読くださり、ありがとうございます。このコラムでは、皆様のお口の美容と健康に、少しでも役立つ情報をお伝えできればと思っています。

さて、今回取り上げさせていただくのは「歯を削らないことの大切さ」についてです。
一般的に、審美歯科には「削る」イメージがつきまといがちです。読者の皆様の中にも「審美歯科は歯を削るもの」とお思いの方や、「審美歯科に興味があるけれど、健康な歯を削るのは嫌だし…」と迷っている方がいらっしゃるのではないでしょうか?この点、プレジールでは「歯を大事に、体にやさしく」を第一に考え、「削らない審美歯科」をコンセプトとした治療を行っているのですが、そこには理由があります。体全体の健康にも関わる大事なお話なので、ホンネでぜひご説明したいと思います。

歯は削れば削っただけ弱くなります

歯の表面を覆っているエナメル質は、人の体の中で最も硬い部分です。
そんな硬い組織に守られた歯は、ちょっとやそっとの衝撃ではびくともしません。けれど、大きな弱点もあります。それは、骨折してもまたつながる骨や、怪我をしても治る皮膚と違って、一度欠けてしまったら二度と元には戻らないということです。

虫歯治療とは基本的に、虫歯になった部分を削ってきれいに取り除き、樹脂や金属で詰め物をして元の形に修復するというものです。薬を塗ったら、歯がモコモコと元通りに再生するわけではありませんし、歯は削った分だけ確実に小さくなっていきます。削る治療を繰り返せば、歯の中央にある神経に近づきますので、知覚過敏などが起こるリスクが上昇します。さらに、詰め物と歯の境目は汚れが溜まりやすいため、そこから虫歯になる可能性もあるなど、「歯を削る」とかなりのデメリットがあることを覚悟しなければならないのです。

最近では、初期の虫歯の治療において薬を使ったりすることで、神経を温存しの寿命を延ばすこともできます。

歯を削ると抜歯のリスクが高まってしまう

健康面からだけでなく、審美的に歯を削る場合も同様のデメリットがあります。
例えば、歯1本を差し歯にする場合、まず歯の根だけを残して削り、そこにセラミックなどのクラウンをかぶせることになります。根だけしか残っていない歯は、神経も取ってしまって弱いものです。将来的に抜歯することになってしまえば、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの措置が必要となってしまいます。もし歯が抜けてしまうと、顔全体のバランスや輪郭も変わってくるなど、審美面への影響も避けられません。また、歯の寿命は人の寿命とも密接に関係しますので、お口の環境が悪いと、食べ物がおいしく感じられないなど、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
さらにこれに加えて、先ほど少しお話ししたとおり、一度削った歯は詰め物の境目に汚れが溜まりやすいなどの問題点があるため、ほかの健康的な歯以上に適切なコントロールをする必要があります。定期的なメンテナンスは欠かせませんし、日々のブラッシングにも注意しなければいけません。

審美目的で健康な歯を削ってしまったばかりに、将来ブリッジやインプラントが必要になってしまっては本末転倒です。お口の健康の維持という点でも審美という点でも、歯を削ることはできれば行わないほうがいいのです。

削る必要がある場合は最小限で!

しかし、いくら歯を削るのは避けるべきだといっても、治療上の理由や審美的な理由から、どうしても削ったほうがいい場合も存在します。

例えば、エナメル質でとどまらずに、その下の象牙質まで達している大きい虫歯の場合は、薬を使って虫歯部分を柔らかくして取り除く「カリソルブ」や、虫歯の表面だけを削って殺菌し詰め物をする「ドックスベストセメント(Doc’s Best Cement)」、3種類の抗菌剤を使用する3mix法などの削らない治療法でも難しい場合があります。また、さらに虫歯が進んで神経にまで達している状態になると、どうしても削って歯の根(神経)の治療を行うことが必要になってきますので、削る治療を避けて通ることはできません。
やむなく歯を削る場合でも、必要最小限に抑えることで負担をできる限り小さくすることが重要になります。

このように、歯を削ることにはさまざまなデメリットがあり、しかも一度削ってしまうと二度と元に戻すことはできません。虫歯治療のために仕方がない場合もありますが、あまりにリスクが大きいため、審美目的で健康な歯を削ることはおすすめできません。それが、プレジールが「削らない審美歯科」を掲げている理由になっています。

効果的な審美歯科治療を選びましょう

「削らないと審美歯科治療は受けられないのでは?」と思っている方も多くいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。例えばプレジールでは、「ティーシーズ」という独自の方法を用いて、「削らない審美歯科」を実践しています。
ティーシーズは、当院でお作りする患者様専用の歯を、歯の上に貼るという審美歯科の施術方法で、削らない分、体への負担が少ないことが特徴です。耐久性に優れた薄い素材でできており、患者様の歯型を元に、歯科技工士がオーダーメイドで作っています。施術前には担当ドクターが患者様一人ひとりにカウンセリングを行い、美しく見える歯の色や並びなどをご提案していますので、手軽に歯並び・歯の色を変えることができます。

健康と美は、どちらもとても大切です。一見、どちらかのためにどちらかを犠牲にしなければいけなそうな場合でも、クリニックの方針によっては避けられることがあります。ぜひ、健康と美を両立できるかどうかという観点を、歯科医院選びの参考にしてみてください。


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。