こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、心より御礼申し上げます。
さて、審美歯科とは歯の美しさを重視した総合的な歯科医療のことで、診療を通じて患者様のクオリティ・オブ・ライフに貢献することが私たちの大切な役割と思っています。
そして「美しさ」は見た目だけのことに限りません。例えば、歯周病などを原因とする口臭予防も美しさを保つ上で重大なテーマではないでしょうか。
そこで今回は、口臭予防(ブレスケア)と歯周病との関係、そして審美歯科で受けられる口臭予防についてお話しさせていただきたいと思います。
目次
口臭はお口の健康状態と密接な関係があります
口臭の原因は、大きく次の4つに分類されます。
- 生理的口臭…朝起きてすぐのときなど、誰でも一時的に強く感じられることがある自然な口臭
- 病的口臭…虫歯や歯周病、鼻・喉・消化器系などの病気による口臭
- 外因的口臭…ニンニクなど臭いの強い食べ物や、喫煙・飲酒などによる口臭
- 心因的口臭…自分の口臭に対する意識が強すぎて、生理的口臭などを過剰に感じている場合
このうち1と3については、生活習慣を改善することで口臭の悩みを緩和することが可能です(生理的口臭については、完全にゼロにはできません)。
また、4の心因的口臭については、誰にでも大なり小なりある生理的口臭に対して「私は実は非常に口臭が強いのでは?」「周りの人は気付いているのに、指摘しないだけでは?」などと思い込んでしまった状態ですから、歯科や審美歯科などで口臭測定器による口臭検査を受けてみてはいかがでしょうか。
審美歯科がケアできる口臭は、2の病的口臭のうちの虫歯や歯周病に由来するものです。
それでは、病的口臭のおもな種類についてご説明しましょう。
1. 虫歯がある
虫歯は、歯の表面に開いた穴は小さくても、その奥で大きく広がっている場合があります。その穴の中には歯垢(プラーク)が詰まりやすく、食べカスが腐敗することで強烈な悪臭が発生します。
また、虫歯が進行して歯の神経が死んでしまった場合、痛みがないからと放置しておくと、歯の神経が腐って腐敗臭を放ったり、膿が溜まったりします。これもきつい口臭の原因になります。
2. 歯垢が溜まっている
歯垢はそれ自体が非常にイヤな臭いを持っています。試しに、歯磨き前にデンタルフロスなどで歯と歯のあいだに溜まった歯垢を取り、その臭いをかいでみてください。相当にきつい臭いがするはずです。
日常的なオーラルケアで十分に歯垢が落とし切れていない場合、溜まった歯垢が口臭の原因になっているかもしれません。
3. 歯石が溜まっている
歯石も口臭の原因になります。歯石とは、古くなった歯垢が唾液中のカルシウムによって石灰化したものです。歯石自体には悪臭はありませんが、歯石の中には多くの歯垢が入り込み、膨大な数の虫歯菌が活動していますから、結果的に口臭の原因となります。
4. 歯槽膿漏などの歯周病にかかっている
歯槽膿漏など、歯茎や口腔内に膿が溜まる歯周病にかかると、膿や患部からの出血による悪臭が口臭の原因になってしまうことがあります。
5. 唾液の分泌が不十分
精神的なストレス、加齢、体調不良などが原因となって唾液の分泌が不足すると、口腔内の細菌が増えて口臭の原因になります。ちなみに、朝起きてすぐのとき、ほとんどの人が「口からイヤな臭いがする」「口の臭いが強くなっている」などと感じると思いますが、これは就寝中の唾液の分泌が、起きているあいだに比べて少なくなるからです。
不規則な生活、睡眠不足なども唾液の分泌が不足する原因になる場合があり、「食べ物をしっかり噛んで食べていない」「口を開けたままにするクセがある」といった生活習慣なども唾液の分泌の妨げになります。さらに、睡眠剤や血圧降下剤などの薬の副作用として、唾液の不足につながることもあります。
6. 舌苔(ぜったい)が溜まっている
舌苔とは、舌の表面にこびりついた汚れのことです。「舌のコケ」と書きますが、これはコケではなく細菌の塊で、舌の表面にある小さい凹凸で細菌が繁殖し、白いコケのように見えます(黄色や黒の場合もあります)。
舌苔が発生する原因としては、上の「唾液の分泌不足」のほか、免疫力の低下や自律神経の乱れ、ストレス、過労などによって口腔内環境が悪くなっていることが考えられます。
セルフケアによる口臭予防・ブレスケアでは、病的口臭対策に限界が!
セルフケアによる口臭予防やブレスケアは、一般的に下記のような方法が挙げられます。
- 歯をしっかり磨く
- デンタルフロスや歯間ブラシなどで毎日歯垢をしっかり取る
- 口臭予防ガムを噛んだりキャンディを食べたりする
- 市販の舌クリーナーなどを使う
これらの方法は、場合によっては一時的な口臭緩和などの効果が得られるかもしれません。しかし、病的口臭に対しては抜本的な解決方法とはならず、症状を放置しておくことで、かえって虫歯や歯周病を進行させてしまう危険もあります。
病的口臭が疑われる場合は、セルフケアだけで悩みを解決しようとはせず、ぜひ歯科や審美歯科で検診を受けてみてください。
例えば市販の舌クリーナーなどを使う場合、使い方を間違えると舌を傷付けるおそれがあります。また、舌苔が発生する原因を解決しないまま舌苔を取り過ぎると、かえって舌苔がつきやすくなる場合もあります。これは、舌のデリケートな粘膜が傷付き、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうからです。
このようなトラブルを防ぐため、プレジールでは審美歯科医師が舌クリーナーの使用頻度や使い方などについても指導・アドバイスをさせていただいています。
専門家による検診で口臭の原因を知り、適切な治療やケア、そして専門的なアドバイスを受けることで、きっと口臭の悩みは解決または大幅な改善が望めるでしょう。
定期的なクリーニングでブレスケアを!
このコラムでは、口臭の原因は大きく4つに分類されること、そして病的口臭に対してはセルフケアだけでは問題を解決できないため、歯科や審美歯科などで診療を受けていただきたいことを説明してきました。
もちろん、口臭予防には日頃からのセルフケアが大切です。歯磨きを中心としたオーラルケアは、ぜひすべての方に実践していただきたいと思います。しかし、「私ってひょっとして口臭がきついのかも?」「なんだか最近口臭が強くなったかも?」といった気付きがあったら、お気軽に当院にご相談ください。
なお、プレジールでは標準的なお口のクリーニング(スタンダードケア)のほか、歯の着色汚れを重点的にケアする「ステインケア」、虫歯や歯周病を徹底的に予防する「デンタルヘルスケア」、口元の美しさを総合的にケアする「ビューティーケア」などのコースをご用意しています。
これらの特別なケアコースでは、虫歯予防に役立つ歯磨き指導や歯茎マッサージ、口臭を予防する歯科医用口臭予防スプレーの塗布などの施術をご提供しています(施術の内容はコースによって異なります)。
口臭にお悩みの方も、「ひょっとして…?」と心配な方も、そして「今は問題ないけれど、この先もずっと口臭の心配をしたくない」という健康な方も、一度お試しいただければ効果や快適さにご満足いただけることと思います。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。