こんにちは!デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
今回は「歯の色の決まり方」についてお話しします。
日常的に気になる歯の色ですが、実は歯の色は生まれつき決まっているだけでなく、さまざまな要因で変わることがあります。
今回は、なぜ歯の色が変わるのか、改善方法とあわせて詳しく解説します。
目次
歯の色の決まり方
歯の色は主に、歯を構成するエナメル質と象牙質の状態によって決まります。
歯は、主体となる「象牙質」、表面を覆う「エナメル質」、血管や神経が通っている「歯髄」で成り立ちます。
このうち、歯の最外層にあるエナメル質は、透明に近い薄い層であり、その内側にある象牙質の色がエナメル質を通して透けて見えることで、歯の色が決まるのです。
象牙質の色には個人差があり、薄黄色や乳白色をしています。
その色がエナメル質を通して見えるため、個々の歯の色合いは人によって異なります。
象牙質が薄黄色でエナメル質が薄い場合、象牙質の色が強く透けるため、歯が黄色味を帯びて見えることがあります。
一方で、エナメル質が厚い場合は象牙質の黄味が抑えられ、白っぽくなります。
歯の色の種類別の原因
歯の色には、次のような種類があります。
- ナチュラルな白い歯
- 真っ白な歯
- 黄ばんだ歯
- 黒ずんだ歯
歯の色別の原因について、詳しく見ていきましょう。
ナチュラルな白い歯
少しだけ黄みがかっているのが特徴で、自然な歯の色と言えます。
日々の丁寧な歯磨きにより歯垢や歯石が付着しておらず、着色汚れもほとんどありません。
特に歯科での定期的なクリーニングを行うことで、このナチュラルな白さを保つことができます。
また、セルフケアとしては飲食後の歯磨きやフッ素配合の歯磨き粉の使用などが効果的です。
真っ白な歯
多くのモデルや俳優に見られる真っ白な歯は、ホワイトニングやラミネートベニアなどの施術を受けて、人工的に白くした歯です。
自然な歯の色は通常、象牙質とエナメル質の色の影響で薄黄色や乳白色をしていますが、これらの治療を受けることで、真っ白な歯を実現できます。
黄ばんだ歯
黄ばんだ歯は、相手に不潔な印象を与える場合もあることから、多くの方が悩むものでしょう。
歯の黄ばみの原因は下記のとおりです。
- 【加齢】歯のエナメル質が薄くなり、内部の象牙質が透けるため、歯が黄ばんで見える
- 【歯垢】歯に蓄積する食べかすや細菌が固まってできた歯垢が、歯の黄ばみの一因となる
- 【タバコ】歯に蓄積する食べかすや細菌が固まってできた歯垢が、歯の黄ばみの一因となる
- 【コーヒー・紅茶】カフェインやタンニンが歯の表面に染み込み、黄ばみが生じる
- 【赤ワイン】色素成分が多く、摂取により歯に着色して黄ばみを引き起こす
- 【テトラサイクリン系抗生物質】小児期に使用すると、永久的な歯の黄ばみやグレーの変色が生じる副作用がある
黒ずんだ歯
過去に神経を抜いた歯が、時間とともに黒ずんでいくことがあります。
これは、神経を取った後、歯の内部組織へ栄養が供給されなくなるためです。
歯の表面だけでなく内部から進行するため、ホワイトニングでは改善が困難です。
一方で、神経を取った記憶がないのに歯が黒くなる場合は、歯の神経が自然に死んでしまった可能性があります。
原因としては、強い衝撃で歯をぶつけたことが挙げられます。
たとえば、スポーツや事故で歯に打撃を受けた後に、神経が損傷し、そのまま死んでしまうことがあります。
歯の黄ばみが目立つ原因
歯の黄ばみが目立つ原因は下記のとおりです。
- 加齢
- 歯のケア不足
なぜ、歯の黄ばみが目立つようになるのか、詳しく見ていきましょう。
加齢
加齢に伴い、歯のエナメル質が徐々に薄くなる傾向があります。
エナメル質は透明に近い薄い層で、歯の内側にある象牙質を覆っています。
若い頃はエナメル質が厚く、象牙質の色があまり透けて見えませんが、加齢とともにエナメル質が薄くなるため、象牙質の黄色がより透けて見えるようになります。
これが、年齢を重ねるにつれて歯が黄ばんで見える原因の1つです。
ただし、象牙質の色には個人差があるため、加齢による黄ばみへの影響も個々で異なります。
歯のケア不足
口腔内に残った食べ物のカスに含まれる糖質を細菌が取り込み、酸を作り出して歯の表面のエナメル質を溶かします。
こうしてエナメル質からミネラル成分が溶け出す現象を「脱灰」といいます。
溶け出したミネラル成分は唾液によってもたらされる再石灰化という現象によって元に戻るため、エナメル質が溶け続けるわけではありません。
食後の歯磨きによって酸が作り出される状況を改善すれば、脱灰に再石灰化が追いつくことで、エナメル質の健全な状態を保つことができます。
日々の歯磨きが不十分だと、再石灰化が脱灰に追いつかず、エナメル質が徐々に溶けていきます。
また、脱灰が進み、歯からミネラル成分が溶け出したままの状態が続くと、歯の表面にわずかな凹凸ができ、エナメル質の内部で光が乱反射します。
この結果、歯のつやや輝きが失われ、黄ばみが際だってしまいます。
歯科医師が教える「歯の黄ばみ・黒ずみを予防する3つのセルフケア」について
黄ばみや黒ずみなど、いったん変色してしまった歯をご家庭のセルフケアだけで白く戻すことは非常に困難です。
しかし、これ以上変色を進行させないための予防という効果は期待できますのでご紹介したいと思います。
1.口をゆすぐ
食事のあと、すぐに口をゆすいだりうがいをしたりして、食べ物の色素を素早く口の外に出してしまうことで歯の変色を防ぎます。
コーヒーや紅茶、赤ワインなど色素の多い飲み物を飲んだり、お酢や柑橘類など、エナメル質を溶かす酸を多く含む飲食物を摂ったりしたあともこまめに口をゆすぎましょう。
酸蝕歯の予防にもなります。
2.適切なブラッシング
正しいブラッシングのやりかたを覚え、習慣にしましょう。
一度、ブラッシングについては歯科医の指導を受けてみられてはいかがでしょうか。
3.食物繊維の多い食べ物を食べる
やわらかい食事に偏らず、食物繊維を多く含む、歯ごたえのある野菜や果物を積極的に食事に取り入れてください。
歯の表面の汚れを色素とともにこすり落としてくれます。
歯の色を改善する方法
歯の汚れが原因の黄ばみと、神経が死ぬことで生じる黒ずみでは、改善方法が異なります。
それぞれの改善方法について、詳しく見ていきましょう。
歯の黄ばみの改善方法
歯の黄ばみの改善方法は下記のとおりです。
- 適切な口腔ケア
- 歯のクリーニング
- ホワイトニング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な口腔ケア
歯の黄ばみを防ぐ最も基本的な方法は、適切な口腔ケアを日々の習慣にすることです。
食後にすぐ歯を磨くことで、コーヒーや紅茶、ワインなどに含まれる着色物質が歯に残らないようにできます。
また、ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使うことで、表面の着色を抑えることが可能です。
さらに、デンタルフロスや歯間ブラシで、歯と歯の間に残った食べカスや歯垢をしっかり取り除くことも大切です。
歯のクリーニング
歯のクリーニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングであり、歯の表面に蓄積した歯垢や歯石、着色汚れを徹底的に除去します。
日常のブラッシングやデンタルフロスでは取り切れない汚れも除去するため、セルフケアでは対処しきれない歯の黄ばみの改善も期待できます。
定期的なクリーニングは、歯の美しさを保つだけでなく、歯周病やむし歯の予防にもつながります。
特に歯石は自宅でのケアでは取り除けず、放置すると歯肉に炎症を起こし、歯の健康に悪影響を与えるため、定期的な歯のクリーニングで取り除くことが重要です。
ホワイトニング
ホワイトニングは、歯に専用の薬剤を塗布し、光を照射することで歯の色を明るくする方法です。
エナメル質と象牙質を希望の白さにすることで、クリーニングでは改善が難しい加齢による黄ばみの改善も期待できます。
また、ホワイトニングの前にはクリーニングを行うため、歯の表面に付着した歯垢や歯石、着色汚れを取り除くことが可能です。
ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅で行う「ホームホワイトニング」、両方のホワイトニングを行う「ダブルホワイトニング」の3種類があり、それぞれ効果や持続期間が異なります。
オフィスホワイトニングは、即効性が高く、1回の施術で歯が明るくなるのが特徴です。
歯科医師の管理のもとで強力な薬剤を使用し、短時間で効果を得られるため、イベント前など急いで結果を出したい方におすすめです。
ただし、効果の持続期間は比較的短い傾向があります。
ホームホワイトニングは、個人に合わせた専用のトレーに薬剤を入れて、自宅で数週間継続的に使用することで歯を少しずつ白くしていく方法です。
オフィスホワイトニングに比べて即効性は劣るものの、自然な明るさが得られ、効果も長持ちします。
さらに、当院では「ダブルホワイトニング」という方法も提供しています。
これは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法で、より高い効果と持続性を得られます。
オフィスホワイトニングで短期間に明るくし、その後ホームホワイトニングで色の定着を促すことで、長期間美しい白い歯を保つことができます。
歯の黒ずみの改善方法
歯の黒ずみの改善方法は下記のとおりです。
- ウォーキングブリーチ
- セラミッククラウン
- 歯のマニキュア法
- ラミネートベニア
- ティーシーズ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウォーキングブリーチ
ウォーキングブリーチは、過酸化水素と過硼酸ナトリウムのペーストを歯の中に封入し、歯内で徐々に作用させることで、変色した象牙質を漂白する治療法です。
漂白剤は通常、1~2週間ごとに交換し、目標とする白さに達するまで数回繰り返します。
セラミッククラウン
セラミッククラウンは、歯全体を覆う人工歯冠です。
自然な白さと耐久性をあわせ持ち、正しいケアを行えば長期間にわたり美しい状態を保つことが可能です。
歯の神経の壊死や根管治療で神経を抜いたことで黒ずんだ歯だけではなく、形やサイズの不揃いなど、ホワイトニングやクリーニングでは解決できないトラブルにも対応できます。
ただし、歯を削る必要があるため、将来の歯の健康を考えるのであれば、削らない治療を選択した方がよいでしょう。
歯のマニキュア法
歯のマニキュア法は、コーティング剤を歯の表面に塗布し、一時的に歯を明るく見せる方法です。
施術後すぐに効果が現れるため、結婚式やパーティーなど特別なイベントに向けて短期間で歯を白くしたい場合に適しています。
しかし、効果は一時的であり、数日から数週間で効果が薄れていきます。
長期的な歯の白さを保ちたい場合は、定期的に施術を受けるか、セラミッククラウンやラミネートベニア、ティーシーズなどを検討しましょう。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、薄いセラミック製のシェルを歯の表面に貼り付け、黄ばみや形状の不整、さらには軽度の欠けなどをカバーする治療法です。
通常のホワイトニングでは対応が難しい重度の着色や変色に対して効果的で、自然な仕上がりが期待できます。
耐久性も高く、適切にケアを行えば長期間にわたり効果を維持できます。
しかしながら、装着の際に歯を少し削る必要があるため、歯の健康を考えるのであれば削らない治療法を選択した方がよいでしょう。
ティーシーズ
ティーシーズは、デンタルサロン・プレジールが独自開発した治療法で、健康な歯を削らずに歯の見た目を改善できます。
オーダーメイドの創作歯を歯の表面に接着することで、歯の黄ばみや黒ずみ、歯並びやすきっ歯など、色や形に関する悩みを解決します。
ラミネートベニアやセラミッククラウンのように歯を削る必要がないため、歯への負担が少なく、健康な歯を保ちながら美しい歯を手に入れることが可能です。
さらに、色や形を個別にカスタマイズできるため、見た目は非常に自然で、まるで自分の歯のように感じられます。
使用する素材はハイブリッドセラミックで、専任の歯科技工士が精密に製作します。
通常の施術期間は約2週間ですが、遠方の方や急ぎの方向けの最短4日間で完了するプランもあります。
施術後は3~4ヶ月に1回のメンテナンスをお勧めしています。
2年間の保証が付いているため、術後のアフターケアも充実しています。
原因や程度によって異なる治療法
歯の黄ばみ・黒ずみの原因が生活習慣的なもので、エナメル質の表面に色素がついている程度であれば、歯科医のクリーニングを受けるだけでかなり白さを取り戻すことができます。
また、色素がエナメル質に深く浸透しているようであれば、歯科医に通院して施術を受けるホワイトニング(オフィスホワイトニング)や、歯科医師の指導のもとご家庭で行うホワイトニング(ホームホワイトニング)も効果が期待できます。
ただし、生まれつき歯が黄色い人や、色素を原因としない歯の変色に対しては、こうした治療が効果的とは考えにくいのです。
クリーニングやホワイトニングでは、歯を本来の色よりも白くすることはできません。
こういう場合に考えられるのは、先にお伝えした「歯のマニキュア」などと呼ばれる、歯の表面に白いコーティング剤を塗る方法のほか、「セラミッククラウン」といって、セラミック(陶器)でつくられた被せ物を歯の上にすっぽり被せてしまう方法(元の歯を削って小さくする必要があります)や、ラミネートベニアやティーシーズなど、歯の表面に人工の歯を貼り付ける方法などです。
それぞれの治療法に特徴があり、費用や治療期間、治療の効果が継続する期間、自分の歯を削る・削らないなどの違いがあります。
どの施術がふさわしいかは個人差があります。
まずは審美歯科での診察やカウンセリングを受けていただければと思います。
まとめ
歯の色は、エナメル質や象牙質の状態に加えて、加齢や生活習慣、ケアの方法など多くの要因で変わります。
黄ばみや黒ずみが気になる方は、適切な口腔ケアや定期的なクリーニング、ホワイトニングなどで改善が期待できます。
また、神経が死んでしまった歯や、従来のホワイトニングでは効果が出にくい歯の場合には、ラミネートベニア、ティーシーズなどの審美治療が有効です。
また、プレジールが独自開発した「ティーシーズ」は、歯を削らずに自然な美しさを実現できる治療法です。
健康な歯を保ちながら、短期間で美しい歯を手に入れることができます。
実際に使用する素材を用いた再現度の高いシミュレーションを別途料金不要でご体験いただけますので、イメージと異なる仕上がりになる心配はほとんどありません。
歯の色にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。