こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
さて前回に引き続き「ホンネで薦める審美歯科ココだけの話」としてお届けする今回は、審美治療の定番、「セラミッククラウン」についてご紹介します。
患者様にとってセラミッククラウンを選択する際の、メリットは?デメリットは?について、セラミッククラウンの基礎知識から簡単に、審美歯科医の目線で、ホンネでお話したいと思います。
目次
そもそもセラミッククラウンとは?
全体がセラミック(陶器)でできた被せ物、差し歯の事です。
クラウンとは大きく虫歯になった時、歯が大きく欠けた時、歯並びを治したい時などの治療に用いられるもので、歯を削った後に装着する被せ物や差し歯と言われている物です。
クラウンをかぶせると、1本の歯を全体的に覆う状態になります。
クラウンの素材は色々あります。
保険では奥歯には金属、前歯には裏打ちに金属を使用した硬質レジン前装冠が主に用いられます。
保険外ではゴールド、セラミック、ジルコニアが主に使われます。
その中でも、美しさ、強度のバランスが一番良いと言えるのがオールセラミッククラウンでしょう。
セラミッククラウンを被せれば歯の色を周りの歯と調和させたり、複数本かぶせて歯を全体的に白く見せることや、歯の向きを変えて歯並びをある程度整えることも可能です。
セラミッククラウンを治療として選択する3つのメリット
セラミッククラウンのメリットとしては下記の3点が挙げられます。
- 審美性が高い
- 変色しにくい
- 金属を使わない
それでは、それぞれについて解説させていただきます。
審美性が高い
セラミッククラウンの1番のメリットは、高い審美性です。
天然歯の様な、歯の先端の部分の透明感や、歯の根元から先にかけての綺麗なグラデーションを再現することができます。
元の歯の状態にもよりますが、レベルの高い技工士が作るセラミッククラウンは、天然歯とほぼ見分けがつかない仕上がりです。
変色しにくい
また2つ目のメリットしては、保険で使われる前歯の被せ物は数年すると、段々と変色して黄ばみを感じて来ることが多いのですが、セラミッククラウンは変色しませんので何年経っても黄ばんでくる心配がありませんし、表面はツルツルしているので、歯垢や歯石も付きにくい素材です。
金属を使わない
更に、3つめのメリットはオールセラミックのクラウンは裏側や内面にも金属を全く使用していません。金属を使ったかぶせ物によく見られる歯茎の黒ずみの原因は金属成分の流出です。その原因となる金属を全く使用していないので歯茎が黒ずんでしまう状態になることはありません金属を使わないという点は、金属アレルギーの方にも適しています。
セラミッククラウンを治療として選択する際の3つのデメリット
セラミッククラウンのデメリットとしては、下記の点が挙げられます。
- 割れやすい
- 歯を削る量が多い
- 金額が高い
それでは、それぞれについて解説していきます。
割れやすい
セラミッククラウンの一番のデメリットは、金属の被せ物に比べると割れたりする可能性がある事です。
セラミックなので硬く、たわみが無いので衝撃に弱いという点もあります。奥歯に厚みが十分でないセラミックが入っていたり、強い衝撃が加わると、まれにセラミッククラウンが欠けたり割れたりすることがあります。
大きくかけてしまった場合、セラミッククラウンは修理することができないので、もう一度作り直すことになります。
歯を削る量が多い
また、2つ目のデメリットとしては、他のクラウンに比べると歯を削る量が多いということです。
金属のクラウンは比較的薄く製作できるので、セラミッククラウンに比べると歯を削る量が少ないです。セラミッククラウンは、ある程度の厚みがないと十分な強度が得られないため、その分多く歯を削らなくてはなりません。
金額が高い
最後に、3つめのデメリット、費用の点でのデメリットもあります。保険がきかない素材ですので、価格が高くなります。相場としては一本8万円~15万円程度です。
「知っておけばよかった…」医師が教えるセラミッククラウンでここは注意したい2つ失敗例。注意すべきポイントについて。
患者様にとってもセラミッククラウンは決して安価な買い物ではないと思います。
高価なクラウンを入れるにあたり、よくある2つの失敗例とそれによる教訓、注意したいポイントについてお話します。
ケース1
歯並びを揃えたくて6本や8本セラミッククラウンにしたけれども、キレイに揃いすぎて不自然に見える。自分じゃ無いようで嫌だ。
当院にも相談によくいらっしゃるケースです。
セラミッククラウンの治療は、削って被せて見ないとはっきり完成のイメージがつかめません。シミュレーションができたり、仮歯の状態になった時に、しっかり歯の形の希望を相談できる歯科をお勧めします。
ケース2
思ったより早く歯茎が下がってしまって、歯と歯茎の境目が見えるようになって見た目が悪い。
セラミッククラウンを入れても、加齢や歯周病になって歯茎が下がることがあります。特に歯周病になってしまうと、歯茎がより早く下がってしまいます。
治療が終了しても、定期的なメンテナンスが必要です。
その他注意したい点は、セラミッククラウンといえども咬み合せや、様々な要素によって歯並びや歯の形が制限されることもあります。
本数が多い時などは特に、どのような形や色にしたいのかしっかり事前に相談し、納得してから治療を進めることが大事です。
失敗しない歯科を選ぶ際の大事なポイントをココだけの話として、お教えします。
- カウンセリングの時間をしっかり設けている
- シミュレーションができる(またはそれに近いものができる)
- 実際仮歯になった時に歯の形を相談できる
の3つのポイントをしっかり押さえている歯科を選びましょう。
セラミッククラウンは審美性がよく、一番目立つ前歯の治療にはとても適しています。
虫歯や、歯が大きく欠けてしまった場合などは、不意に高額な出費となってしまいますが、長い期間自分の体の一部になるものですので、じっくり検討されてみてはいかがでしょうか?
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。