皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読くださり、ありがとうございます。ここでは私・中村が、毎回ひとつのテーマについて、皆様のお口の美容と健康に役立つ話をお届けしています。
さて今回お話ししますのは…「目立つ部分の銀歯を白くする方法」です。虫歯治療は、今でこそ銀歯以外にもセラミッククラウンなど審美性の高い素材を扱う歯科医院が増えましたが、以前は保険診療内の銀歯で治療するのが一般的でした。しかし、セラミック素材などでより自然な外観を保つ治療法も知られるようになった今、「以前に治療した銀歯が気になる」という人が増えています。特に、笑ったときに目にとまる前歯から小臼歯(5番目の歯)までに銀歯がある人は、気になることが多いようです。
プレジールでもこれらの歯について、「なんとか白くできないか?」というご相談を受けることが度々あり、同じように悩まれていらっしゃる方は多いかと思いましたので、ここで取り上げることにしました。審美歯科医師として、ホンネで率直にお話ししていきます。
目次
前歯・犬歯・小臼歯の銀歯はレジンやセラミックに置き換えて白くする
前歯や犬歯、小臼歯といった目立つ部分の銀歯を白くするには、一般的には4つの方法があります。
<保険内診療>
・コンポジットレジンを使う
コンポジットレジンとは、合成樹脂にフィラー(ガラスやセラミックなどの鉱物の微粉末)を混ぜて作られた歯科用素材です。歯の一部分のみが銀歯の場合は、銀歯の部分をコンポジットレジンに詰め替えることで、銀歯のクラウンの場合は、コンポジットレジンを使ったクラウンに付け替えることで、銀歯を白くすることができます。
費用が安くて済むことが大きなメリットですが、コンポジットレジンは天然の歯に比べれば強度に乏しく、大きな力が加わると割れたり磨り減ったりすることがあります。また、数年単位で着色・変色が見られることも避けられません。また、コンポジットレジンを使ったクラウンは強度を上げるために内側に金属を使うことが多く、金属が唾液などによりイオン化して歯茎に沈着することで歯茎の黒ずみや金属アレルギーのリスクがあります。
・ハイブリッドセラミックレジン冠にする
銀歯のクラウンを、通常のレジンよりセラミックの微粒子を多く練り込んだ強度・審美的に優れた素材のクラウンに替える方法です。2014年4月から、小臼歯(4番目と5番目の歯)に限り、CAD/CAM装置(光学的に歯の形を立体的に読み取り、コンピューター制御でクラウンやインレーを作成する装置)を使用して作るハイブリッドセラミッククラウンには保険が適用されるようになりました。
セラミックほどではないものの強度・審美性に優れているのは大きなメリットですが、保険が適用されるのは小臼歯のみです。
また、これら保険内診療は、銀歯の下で虫歯が進行しているなど、「虫歯治療」の一環であれば利用できますが、そもそも審美的治療には保険が適用されませんので、「見た目を改善するために銀歯を白くしたい」という場合には使えないというデメリットもあります。
<保険外診療>
・ダイレクトボンディング法を使う
保険診療より強度・審美面で優れたレジンを使う方法です。部分的に詰めてある銀歯を一度外し、レジンを積み重ねていくことで歯の形状・見た目を自然に近い形で修復することができます。たとえ銀歯の下が虫歯になっていても、健康な歯をなるべく削らずに治療できるのが大きなメリットで、治療期間が1~2日と短期であるのが特徴です。保険外診療とはいえ、セラミッククラウンなどに比べれば一歯1~5万円ほどと、価格も低めです。
ただ、セラミックほどの強度はないので、歯の欠損部分が大きい場合はこの方法は使えません。また、経年によりレジンと歯のあいだに着色が見られることがあります。加えて、歯科医師の技術力により仕上がりに大きな差が出る治療法なので、実際に行う際は歯科医師の腕を見極めることが非常に重要となります。
・セラミックインレー(詰め物)/セラミッククラウンにする
銀歯の詰め物やクラウンを、セラミック製の詰め物・クラウンに替える方法です。セラミックの種類により強度や審美性は多少異なりますが、総じて耐久性に優れ、天然の歯に近い美しい仕上がりになります。
ただし、ほかの方法に比べて費用が高いこと(セラミックインレーで3~5万円、オールセラミッククラウンでは8~20万円ほどであることが多い)がデメリットです。
「貼る」ことで歯を白くできる「ティーシーズ」
上記でご紹介した4つの方法は、「手軽に白い歯にしたい」という観点から見るとどれも一長一短があります。そこで、プレジールでは5番目の方法として「ティーシーズ」をおすすめしています。
「ティーシーズ」とはプレジール独自の施術で、歯の上にセラミックを主成分とする専用の薄い創作歯を貼ることで歯を白く見せる方法です。付け爪をイメージしてもらえばわかりやすいかと思います。
銀歯や天然の歯の上に貼るだけなので体への負担はありませんし、歯を削る必要もありません。貼った部分は歯とぴったり密着するので、そこから虫歯になることもほぼなく、金属を使用していないので金属アレルギーや歯茎が黒ずむリスクもなく、安心して使っていただけるものになっています。
施術費用は1~5本までは1本あたり61,000円、6本以上なら1本あたり58,000円で、施術にかかる期間としては、初回のカウンセリング・シミュレーション体験と、2回目の装着の全2回が目安です(本数により所要時間が異なる場合があります)。また、施術後にティーシーズが不要になった場合は、取り外すことも可能です。
前歯から小臼歯(1~5番目の歯)が適応となり、上下の咬みあう面には貼れませんが、自然な白さを再現できますので、目立つ部分の銀歯を手軽に白くするには非常に便利な方法だと思います。
銀歯を白くするのにオーソドックスな4つの方法は、素材には違いがありますが、どれも「銀歯の部分を白い素材に替える」方法です。一方のティーシーズは、「銀歯の上に貼る」方法なので、歯を削るなどの体にかかる負担がなく、状況が変わればいつでも外せるというメリットもあります。前歯~小臼歯の銀歯を白くしたい場合には、ぜひ「ティーシーズ」も検討してみてください。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。