こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科”ここだけの話”」をご覧いただき、ありがとうございます。
最近、「プチ矯正」「スピード矯正」といった言葉とともに、「通常の矯正より安い」という広告をよく見かけるようになりました。当院では残念ながら矯正治療を行っていませんが、審美歯科という特性から見た目の美しさを追求する患者様が多く、「矯正って安くできるの?」というご質問をよくいただきます。
今回は、患者様の「矯正費用」に関するご質問にお答えしていきたいと思います。
目次
Q:施術方法によって歯列矯正の費用は大きく違いますか?
昔から歯並びが気になって、思い切り笑うことができません。いつかは治療して、口もとを隠さずに笑いたいと思っているのですが、矯正は期間が長い上に費用が高いためこれまでは断念せざるを得ませんでした。
半ばあきらめかけていたところ、最近になって今までより安く矯正ができるようになったという広告を見て、心が動いています。
安価であることを謳った矯正は、どのようなものなのでしょうか? また、費用はどのように決まるのでしょうか?
A:施術方法によっても異なりますが、期間も大きく影響します
最初に提示される費用だけを比べると、従来の金属ブラケットによるワイヤー矯正が最も安いといえます。新しい矯正方法であればあるほど、「目立たない」「使われる器具によるアレルギーが出ない」といったメリットがある分、費用が高めになることは否めません。
しかし、何よりも重要なのは、一人ひとりの口腔内の状態によって選択できる矯正方法が限定されるということです。さらに、矯正に必要な期間も不正咬合の度合いによって異なるため、同じ矯正方法を選んでも費用には個人差が生じることになります。
矯正を考える場合は、施術方法を費用の違いで検討するより、自分の歯並びに合った矯正方法を見つけてから費用を検討するという流れがおすすめです。
矯正を希望する患者様向けに無料カウンセリングを行ったり、無料相談会を開催したりしている歯科医院はたくさんありますので、うまく利用して最適な矯正方法を見つけましょう。その際、事前に見積もりを出してもらい、他院と比較することも大切です。
歯列矯正の種類を比較して紹介します
矯正にはさまざまな種類があります。ここでは、その代表的なものをご紹介いたします。
一般的に良く知られているのは、矯正のための装置を、ワイヤーを使って装着する「ワイヤー矯正」です。実は、このワイヤー矯正にも、さまざまな種類があります。
1. 金属ブラケット(メタルブラケット)
「ブラケット」とは、ワイヤーを使って歯に装着する金具のことをいいます。「金属ブラケット」は、その名のとおり、ブラケットが金属製の物ということです。「矯正治療」と聞いたとき、ほとんどの方が真っ先に思い浮かべるのがこの金属ブラケットによるワイヤー矯正だと思います。
どの歯にもつけやすく、多岐にわたる不正咬合に対応できること、丈夫で調整しやすいことなどがメリットです。治療費も比較的安いのですが、どうしても目立つので二の足を踏む人が少なくありません。
2. 審美ブラケット
「矯正はしたいけど、金属は目立つのがイヤ」という理由で、金属ブラケットによる矯正を避けてきた人におすすめの矯正方法です。白や透明色の目立たない色のブラケットを使用し、高い審美性を実現しています。セラミック製やジルコニア製、プラスチック製など、さまざまな種類が出ています。
手法としては金属ブラケットと変わりませんので、重度の不正咬合にも対応できるなど、メリットはそのまま引き継いでいます。加えて、金属製ではないため、アレルギーの心配がないというプラス要素もあります。デメリットとしては、金属ブラケットに比べて強度で劣ること、費用が少し高くなることが挙げられます。
3. リンガルブラケット(裏側矯正/舌側矯正)
金属ブラケットによる矯正、審美ブラケットによる矯正と基本的なしくみは同じですが、ブラケットを歯の表側ではなく裏側につけるタイプの矯正です。
表側からは見えなくなりますので、周囲に矯正していることを気付かれにくいというのが最大のメリットでしょう。歯の裏側は表側より3倍ほどエナメル質が厚いため、虫歯になりにくいというのもポイントです。
「とにかく気付かれたくない」という人にはおすすめですが、装着後しばらくは舌が装置にあたる違和感があること、口内炎ができやすくなる場合があることなど、デメリットも把握しておきましょう。
特に費用面では、表側と違ってオーダーメイドで装置を作る必要があり、必然的に高めの設定になります。
次に、近年増加傾向にある「マウスピース矯正」です。
これは、ワイヤーを一切使わず、透明に近いマウスピースで歯を動かす矯正法となります。
何といっても、近くで見ても矯正をしていることがほとんどわからないのが人気の秘密でしょう。ワイヤーに比べて違和感が少ない上、短期間で治療が終わるともいわれています。取り外しも容易で、例えば大事な会議や商談など、「絶対に気付かれたくない」という場面では、自分で外してまたつけ直すことができます。歯磨きの場合も取り外して磨けますので、汚れが気になる方にもいいでしょう。
ただし、決められた装着時間をしっかり守らなければ効果が出にくいので注意が必要です。また、重症の不正咬合には不向きなため、個人の歯の状態によっては希望しても施術を受けられない場合があります。
広告を鵜呑みにせず、ぜひ直接確認を
いかがでしたか?
近年、歯科の技術も飛躍的に進歩し、日々新しい技術が生まれています。今まであきらめていた施術が可能になるのはうれしいことですが、情報が多すぎて絞り込むのが難しいという声も聞きます。Webで簡単に情報が得られる時代だからこそ、サイトや広告などに掲示されている情報を鵜呑みにせず、実際に足を運んで見極めた上で適切な対応をすることが大切なのではないでしょうか。
特に矯正は、どの方法を選んでもかなり高額な施術になりますので、しっかりとした料金体系を示してくれる歯科医院をお選びいただければと思います。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。