こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ココだけの話」では、毎回歯科医師としての立場から、皆様の口元の美と健康を保っていただくためのアドバイスをさせていただいています。
今回は、患者様からよく聞かれる「なぜ健康な歯を削ったらいけないの?」、「虫歯になっても被せ物とか埋めたりとかしたらいいんじゃないの?」「美しい歯のためなら、元の歯を削っても別にいいんじゃないの?」という質問に対して、歯科医師としてお客様の歯の健康のために大事なことを、ホンネで率直にお答えしたいと思います。
目次
そもそも「歯」って何のためにあるの?生きていくうえでの歯の2つの目的とは。
1.食べるため
人は産まれてから6か月もすると、赤ちゃんに最初の歯が生えてきます。それから日々、食べるという行為を行うため、私たちは歯を毎日、天寿を全うするまで使うことになります。
その昔、人類は硬い木の実や肉をかみ切って食べることが必要だったため、それに負けない程硬い歯を使って生き延びてきたのです。
2.戦うため
また、原始の時代、人類のみならず、動物たちにとって、“歯”は武器でもありました。
動物たちが生きていくためには戦って相手を倒さなければならず、歯は重要な武器だったのです。
こうして長い歴史から見てもわかるように、毎日当たり前に使う歯ですが、生きていく上で、とても大事な臓器なのですね。
命を支える歯の構造と役割について
歯は人体の中で一番硬い組織と言われています。
歯はエナメル質、象牙質、歯髄と三層構造で、それぞれ硬さの違う組織でできています。
歯髄は神経と血管で構成されていて、むし歯になったときなど、歯に異変が生じた時や、熱すぎるもの、冷たすぎるものなど、歯にとって、人体にとって危ないというセンサーとして働く重要な組織です。
その歯髄は象牙質、エナメル質という硬い組織で覆われ、守られています。
また、歯の周囲に張り巡らされている神経によって、口に入って来る物の硬さを感知し、かむ力や、回数を瞬時に判断することができるようになっています。
このように、歯はただ単に食事をするために使うのではなく、様々な役割をもっています。
エナメル質はモース硬度という硬さの指標では“7”であり、鉄は“4”ダイヤモンドは“10”で、鉄とダイヤモンドの中間にあります。
これだけの硬さを持つエナメル質は緻密な結晶でできており、細菌の侵入を防いでいるのですがこのエナメル質も、細菌の産生する酸によってエナメル質が溶かされ、むし歯ができてしまいます。
この時はむし歯の部分だけを取り、なるべく小さく削って歯に詰め物を行うことで、歯の強さを損なうことなく使うことができます。
なぜ健康な歯をいたずらに削ってはいけないのか?その理由について。
一般に審美歯科というと、白い歯にすることや歯並びを変えることが多く、そのために歯を多く削るというイメージが大きいかもしれませんね。
実際、かぶせ物を作り、直していく場合は歯を削ることが必要になります。歯並びの改善を目的にする場合はさらに歯を多く削る必要が出てくるため、歯の神経を取る治療が行われることもあります。
そうすると、歯はエナメル質を失い、その内側にある象牙質は硬さが小さく、細かい管が露出することになり、細菌が侵入しやすくなります。
また、神経を取った場合は、歯の質全体がもろくなり、長い時間がたつと歯が折れやすくなります。また、むし歯にかかりやすくなります。
歯にかぶせ物をかぶせることにより、歯の強度を回復することができますが、一度削ってしまった歯が元通りになることはありません。
以上の理由から、長く歯を使うことを考える場合はできる限り、歯を削らないことが望ましいでしょう。
ただ、できてしまったむし歯や、すでに治療の行われた歯を直す場合は歯を削ることも必要です。
審美治療の中でも、歯を削ることなく、白い歯並びに変えることのできるティーシーズは、歯にやさしい治療といえるのではないでしょうか。
歯を長持ちさせることができる方法として、一つの選択肢になりますね。歯の健康には毎日のケアも大事ですね。
虫歯のないきれいな歯を保つために、あわせて歯科医院での定期的なチェックをおすすめします。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。