こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ココだけの話」をお楽しみいただけていますでしょうか?
さて、今回は「歯磨き」のお話です。口元の美しさを保つためのお手入れとして、毎日の歯磨きは欠かせないものですね。
けれど、「歯を白くしたい」という目的で必要以上の力を込めてゴシゴシとブラッシングするのは歯のために良くありませんし、歯を白くする効果も期待できません。
では、歯の白さを保つために役立つ歯磨きとはどのようなものか、そして、歯と歯茎の健康を保つために必要な「プラークコントロール」とはどのようなものかについてお話ししたいと思います。
ゴシゴシ歯磨きはどうして歯に良くないの?
歯ブラシにもさまざまなタイプがありますが、多くの歯ブラシは毛先が細くなり、歯と歯のあいだや歯と歯茎のすき間に毛先が入り込んで、歯垢(プラーク)をかき落としやすい構造をしています。
このため、歯ブラシを強く歯に押し当てると毛先が不自然に開いてしまい、うまく歯のすき間に入り込んでくれないのです。
また、力を込めてゴシゴシこすることにより、歯茎の表面を傷付け、口元の美しさを損ねたり、歯肉炎の原因になったりする可能性も考えられます。
「でも、歯の表面の着色汚れは、ゴシゴシこすったほうがよく落ちるのでは?」。
そうお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに、歯の表面の着色汚れはほんのわずかな「研磨剤」によって多少落とすことができます。しかし、毎日何回もそんなに強く磨いていたら、歯の表面のエナメル質が薄くなり、歯を傷めると同時に内側の象牙質のクリーム色が透き通るようになり、かえって歯が黄ばんで見えてきます。また、歯茎がしだいに下がって歯が長く見えるようになり、知覚過敏にもなりやすくなるでしょう。
歯が着色汚れするおもな理由は、コーヒー、お茶などの嗜好飲料や喫煙などが考えられます。また耳鼻科疾患を伴う場合で、通常の鼻呼吸ではなく口呼吸を行う方、あるいは常用されているお薬副作用により唾液の分泌量が低下し、お口が乾燥しやすい方の場合は、ステインが付きやすくなります。
確かに、歯の表面を強く研磨すれば一時的に黄ばみは薄れるかもしれませんが、研磨によって歯の表面が凸凹になることによって、さらに着色しやすくなってしまいます。
ですから、歯の白さを保つためのブラッシングとしては、「着色汚れの原因になる飲食物を食べたあとは、すぐに、歯の表面を傷めないように優しく歯磨きをする」「すぐに歯磨きができない場合は、せめて十分に口をゆすいで、色素がなるべく歯の表面に付着しないようにする」といった方法が望ましいでしょう。
歯磨きは、プラークコントロールのためのものです
「プラークコントロール」という言葉を聞いたことはありませんか?
口腔内のプラークを常に完璧に除去することは難しいため、「できるだけプラークを減らすようコントロールする」というのがプラークコントロールの基本的な考え方です。
では、プラークコントロールのために望ましい歯ブラシの使い方とはどのようなものでしょうか?
歯ブラシは鉛筆を握るように軽く持ち、おもにヘッドの先端を使うようにして、毛先が歯と歯のあいだにうまく入り込むよう、優しく小刻みに動かしてください。歯のすき間に入り込んだ歯垢を優しくかき出してあげるイメージです。
また、歯と歯茎の境目の部分は、ブラシの角度を歯の表面に対して斜め45度くらいに傾け、毛先が歯周ポケットに入り込むようにすると磨きやすいでしょう。
歯磨きを補うプラークコントロール法としては、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って、歯ブラシの毛先が入り込めない歯と歯のすき間の奥や、歯の付け根のプラークを落とす方法が挙げられます。
ただし、こうした自分でできる範囲のプラークコントロールには限界があります。
歯ブラシだけで落とせるプラークはせいぜい60%程度、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日使っても80~85%といわれており、自分で落としきれないプラークを放置しておくと、やがて歯石になってしまいます。
数ヵ月~半年に1度くらいのペースで歯科医院に足を運び、歯石除去やPMTC(歯科医師や歯科衛生士による、専門の機器を使った歯の清掃)を受けることをおすすめします。セルフケアとプロフェッショナルケアの相乗効果により、自然な歯の白さと口元の健康を維持していただけます。
プロのアドバイスを受けて効果的な施術を!
今回は「歯の黄ばみを取りたい・白くしたい」といった目的でゴシゴシと歯磨きすることが逆効果であることと、いろいろな弊害があることをお話ししてきました。
また、歯の着色汚れがなぜ発生するのかといったこともご理解していただけたのではないでしょうか。
歯磨きは本来、プラークコントロールのためのものです。過剰な歯磨きではなく、効果的に着色汚れを防ぎ、歯垢を取り除く磨き方を心掛けていただきたいと思います。
プレジールにお越しいただければ、歯の白さを取り戻すためにはどのような施術がもっとも望ましいのか、私たちからアドバイスできることと存じます。
セルフケアでは対応できない場合も、ホワイトニングなどほかの施術でご満足いただけるかもしれません。歯の黄ばみ・黒ずみを気にされている方は、一度お気軽にプレジールでチェックなさってみませんか?
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。