- 歯は、できるだけ削らないほうがいい
誰もがそう信じ、多くの歯科医院も「削らない治療(MI治療)」を掲げるようになりました。あなたもきっと「歯を削らない歯医者さん=良い歯医者さん」というイメージをお持ちではないでしょうか。
しかし、もし、その「削らない」という聞こえの良い言葉へのこだわりが、かえってあなたの歯の寿命を縮めているとしたら……?
実は「虫歯治療」で語られる「削らない」と、私たち「審美歯科」が哲学とする「削らない」は、似て非なるものです。
この記事では、東京・銀座の審美歯科として、多くの誤解を生んでいる「削らない治療」の本当の意味を解き明かし、あなたの歯の美しさと健康を生涯にわたって守り抜くための、本質的な話をします。
- 「削らない治療」に興味があるが、本当に大丈夫か不安。
- 治療法のメリットだけでなく、デメリットやリスクも正直に知りたい。
- どの歯医者さんの、どの治療法を信じればいいのかわからない。
- 審美目的で健康な歯を削ることに、強い抵抗がある。
- 自分の歯を、本当に大切にしてくれる先生に出会いたい。
- 「MI治療=なるべく削らない」という、よくある大きな誤解。
- なぜ、虫歯治療で「削らない」ことに固執すると危険なのか。
- 審美歯科における「本当に歯に優しい削らない治療」とは。
- あなたの歯の寿命を最大限に延ばすための、治療法の選び方。
この記事を書いた人

日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。
テレビ番組で当院の施術ティーシーズが取り上げられました
MI治療の本当の意味|「削らない」は目的ではなく「手段」の一つ

最近、多くの歯科医院で「MI治療」や「削らない治療」という言葉が使われています。
MIとは「ミニマル・インターベンション」の略で、日本語では「最小限の侵襲」と訳されます。多くの方がこれをなるべく歯を削らない治療と解釈されていますが、それはMIの考え方のほんの一部分に過ぎません。
MI治療の最も大切な目的は、ただ一つ。「歯の寿命を最大限に延ばし、生涯にわたって健康な歯を守り抜くこと」です。
その目的を達成するための手段として、
- 予防を徹底し、そもそも虫歯にさせない
- ごく初期の虫歯は、削らずに再石灰化を促して治す
- 治療が必要な場合は、歯へのダメージ(侵襲)が最小限になるように介入する
という考え方があるのです。決して「削らないこと」自体が目的ではない、ということをまずご理解ください。

なるほど……。目的と手段を、混同してはいけないということですね

まさしくそのとおりです。この違いを理解することが、ご自身の歯を守るための第一歩になります
「最小限の侵襲」とは、削る量を最小限に抑えることだけを指すのではありません。神経や歯周組織へのダメージを最小限にすることも含まれます。治療におけるあらゆる「歯への負担」を最小化する、という総合的な考え方がMI治療の本質です。

【虫歯治療編】「削らない」ことに固執する3つのリスク

MI治療の目的と手段を履き違え「削らない」という言葉だけに囚われてしまうと、かえって歯の寿命を縮める落とし穴にはまる危険があります。
リスク1:虫歯の取り残し・再発
「削らない」を優先するあまり、虫歯菌に感染した部分を完全に取りきれずに詰め物をしてしまうと、内部で虫歯が進行し、気づいたときには神経まで達している、という最悪のケースに繋がります。
リスク2:適応症例の見誤り
「ドックベストセメント」など、特殊な薬剤で虫歯を無菌化する治療法もありますが、適応できる症例は限られます。本来は適応外の大きな虫歯に無理やり適用しても根本的な解決にはならず、結局再治療が必要になります。
リスク3:「見て見ぬふり」による重症化
「これは小さいから削らなくていい」「これも様子を見ましょう」と、削らないことを優先するあまり問題を先送りにしてしまう。その結果、数年後に抜歯など、より大きな治療が必要になってしまうことがあります。
歯は一度削ると二度と元には戻りません。だからこそ削る際は慎重であるべきです。しかし、虫歯は「感染症」です。感染源を確実に除去することが、ほかの健康な歯を守り、歯全体の寿命を延ばすための「最小限の侵襲」となるケースも多々あるのです。

【審美歯科編】私たちが「健康な歯を削らない」ことにこだわる本当の理由

では、当院が掲げる「削らない審美歯科」は、虫歯治療で語られるMI治療とは何が違うのでしょうか。
私たちの哲学は「審美的な目的のために、健康な歯を安易に削ることは絶対にしない」という、極めてシンプルなものです。
歯並びや歯の色をきれいにしたい、というご希望に対し、世のなかには健康な歯を大きく削ってセラミックを被せる治療法(セラミック矯正など)が溢れています。しかし私たちは、審美目的で健康な歯を削ることは、歯の寿命を縮める行為にほかならないと考えています。

きれいになるために、健康な部分を犠牲にするのは本末転倒な気がします

私たちもまったく同感です。だからこそ、歯に最も優しい方法で、最大限の美しさを実現する技術を追求してきました
もちろん、当院でもお口の中に虫歯が見つかれば、それはMI治療の考えに則り、歯を守るために必要最小限の治療をしっかりとおこないます。その上で、審美的なお悩みを、歯に最も優しい方法で解決する。それが私たちのスタンスです。

歯の寿命を延ばす、当院独自の「削らない審美歯科治療」

「美しくなりたい。でも、歯の健康は絶対に犠牲にしたくない」
その想いに応えるのが、当院独自の「ティーシーズ」です。
ティーシーズは、歯の表面のエナメル質をほとんど削ることなく、その上に直接セラミックを盛り足して、色・形・歯並びを整える独自技術です。歯を削らないため、歯へのダメージを最小限に抑え、歯の寿命を損なうことなく、理想の口元を手に入れることができます。
これは、虫歯がない、あるいは治療が完了した健康な歯に対しておこなう、まさに私たちの哲学を体現した「削らない審美歯科治療」なのです。
歯を削らないティーシーズは、万が一元に戻したくなった場合でも、ご自身の歯を取り戻すことが可能です。人生のステージに合わせてデザインを変更することもできる、可逆性の高い治療であることも大きなメリットです。

まとめ:「削らない」の本質を見極め、あなたの歯の未来を選ぶということ

「削らない治療」という言葉は、非常に魅力的です。
しかし、その言葉が「虫歯治療」の文脈で使われているのか、それとも「審美治療」の文脈で使われているのか。そして、その治療が本当にあなたの歯の10年後、20年後の未来を守ることに繋がるのかを、冷静に見極める必要があります。
あなたは、ただ「削らない」という言葉のイメージを信じますか? それとも、あなたの歯の未来を真剣に考え、治療法のメリットだけでなく、デメリットやリスクも全て正直に話してくれる専門家と、じっくり対話しますか?