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ラミネートベニアよりずっと歯に優しい審美治療の方法とは?

2018.02.07

ティーシーズ

ラミネートべニア

自費診療

皆様、こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読いただき、ありがとうございます。このコラムでは、皆様のお口の美容と健康に役立つ情報をご紹介しています。

今回は、審美歯科の代表的な治療法についてその違いをお話ししたいと思います。審美歯科の治療では、「この症状には必ずこの治療法」と決まっているわけではなく、例えば「歯を白くしたい」なら、ホワイトニングにラミネートベニア、ティーシーズ、セラミッククラウンなど、いくつかの選択肢があります。そのため、どんな場合にはどの方法が良いのか、わかりにくいのが実情です。
しかし、どんな症状であるにせよ、歯をなるべく削らない方法のほうが体への負担も少なく、後々の選択肢も広がることには違いありません。そこで、「歯を削る量」という基準から治療法を分類し、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。

歯を削らない治療法

歯を削らない治療方法としては、歯を内側から白くする「ホワイトニング」、一般的な虫歯治療にも使われる「ダイレクトボンディング法」、幅広い症状に対応可能な「ティーシーズ」の3種類があります。

ホワイトニング

ホワイトニングは、「ホワイトニング剤」と呼ばれる薬を使って歯の内部に沈着した色を取り除き、天然の歯を白く明るくする方法です。歯科医院で受ける「オフィスホワイトニング」と歯科医師の監修の下に自宅で行う「ホームホワイトニング」の2種類があり、オフィスホワイトニングは1日で効果を感じられる代わりに色戻りが早い(半年~1年程度が目安とされる)のが特徴です。対して、ホームホワイトニングは毎日1~2時間~、2~4週間程度マウスピースを装着する必要があり、効果が出るまでに手間と時間がかかるものの、長く効果が続く(1~2年が目安とされる)のが特徴です。
自分の歯そのものを白くできるのは大きなメリットですが、必ずしも自分の思い描く白さになるとは限らないので注意が必要です。例えば、加齢による歯の黄ばみや抗生物質の影響による歯の変色、テトラサイクリン歯などに対しては、満足する効果を得られない場合もあります。

ダイレクトボンディング法

歯科用のレジン(合成樹脂)を直接歯の表面に盛ることで、歯の色や形状を調整するのがダイレクトボンディング法です。虫歯の治療から歯の形の修正、色の補正まで、多くの場面で使えるのがメリットで、例えば「歯と歯のあいだの隙間を埋める」「歯先のギザギザを滑らかにする」「金属の詰め物を詰め替えて白くする」「一部欠けてしまった歯を元通りの形に修復する」など、歯の欠損部分が大きい場合を除く、多くの治療に使うことができます。
また、レジンは経年劣化などにより破損しても修復が簡単で、1本10,000~50,000円程度と安価なことが特徴です。また、さまざまな色調のレジンを積み重ねると、細かい色の違いを表現できます。自然の歯に非常に近い高い審美性を持つ点もメリットといえるでしょう。一方、デメリットとしては、歯科医師の技術力により仕上がりが大きく左右されること、耐久性でセラミック素材に劣ること、経年によりレジンと歯のあいだに着色が起こる可能性があることなどが挙げられます。

ティーシーズ

ティーシーズは、歯の表面に薄い創作歯を付け爪のように貼ることで、歯の色や形、歯並びの問題を解消する「プレジール独自の方法」です。創作歯は、一人ひとり型取りした歯型に沿って専任の歯科技工所で制作し、非常に薄く違和感も少な目です。「凹凸感がある」「1本だけ歯列から引っ込んで生えている」などの歯並びや歯の隙間の修正、欠けた歯の補正、ホワイトニングでは満足な効果が得られない歯の黄ばみ・黒ずみ、テトラサイクリン歯の悩みなど、幅広い悩みの解決に役立てることができます。セラミックと少量の樹脂からなる創作歯は耐久性が高く、のちに矯正治療などを行う際には、外して元に戻せるのもメリットです。
デメリットは、価格は1本61,000円(施術本数によっては58,000円)と、セラミッククラウンよりは安価なものの、ダイレクトボンディング法に比べるとやや高価なこと。また、歯の移動が必要な大きな歯列矯正には対応できないことなどが挙げられます。

歯を少し削る治療法

歯を少し削る治療法としては、歯の表面を薄く削って薄いシェルを歯の表面に貼る「ラミネートベニア」が最も普及しています。

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、歯の表面を0.5mmほど削り、薄いシェルを歯科用接着剤で貼り付けることで、色や形、大きさ、すき間を改善する方法です。ティーシーズ同様、ホワイトニングでは満足のいく効果が得られないテトラサイクリン歯の見た目の改善や「すきっ歯」の改善、歯の大きさ・形の修正とさまざまな悩みの解決に利用されています。1本10万~15万円程度と、セラミッククラウンに比べて安価且つ短期間で治療ができることも特徴です。
デメリットは、期待できる効果はダイレクトボンディング法やティーシーズとほぼ同じであるにもかかわらず、少量とはいえ歯を削るため、歯に負担をかけてしまうことです。基本的にはエナメル質の範囲を削りますが、厚みや強度を得るために象牙質部分まで削ると、後々痛みを感じることもあります。

歯を大きく削る方法

歯にセラミック製の被せ物をする「セラミッククラウン」が代表的な治療法です。

セラミッククラウン

セラミッククラウンは、歯を削ってセラミック製のクラウンを被せる治療法です。虫歯治療などで神経が残せる場合と、神経を取った後の被せ物として、また歯並びを治したい場合などに使われます。また抜歯後の治療としてブリッジの材質としても使われます(材質上、適応となるブリッジの症例には制限があります)。治療期間は、前歯の場合で1~3ヵ月ほど。歯1本あたり7万~16万円が相場で、決して安くはありませんが、エナメル質に似た自然な白さと質感になること、金属アレルギーの心配がないこと、耐久性が高く虫歯になりにくいことなど、数々のメリットがあります。
ダイレクトボンディング法やティーシーズ、ラミネートベニアとは、そもそも使われる場面が違うので単純に比較はできませんが、1本あたりの値段が高価であること、何より歯を大きく削る必要があることがデメリットです。

削らずに済むうちに治療するのが一番!

歯は一度削ると二度と元には戻せません。価格や見た目(仕上がり)はもちろんですが、歯にかかる負担の大小も比較した上で治療法を選ぶようにするといいでしょう。


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。