コラム

Column

審美歯科では虫歯治療はしてくれないの?

2024.08.20

審美歯科について

虫歯

こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。
「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をいつもご愛読いただき、ありがとうございます。このコラムを皆様の歯やお口元の美容・健康に役立てていただければ幸いです。

さて今回は、患者様からよくご質問をいただく「素朴な疑問」についてお答えしていきたいと思います。
例えば、「審美歯科では虫歯の治療をしてくれないの?」というご質問をいただくことがあります。
こういった疑問は、審美歯科が一般的な歯科とどのように違うのかが、一般の患者様には今一つわかりにくいところから生じているように思われます。

そこで今回は「虫歯治療」を例に取り、審美歯科と一般的な歯科はどう違うのかについて、総合的なご説明をしていきたいと思います。

プレジールの施術はすべて歯科医が行っています

最近、「デンタルエステ」や「○○サロン」などに類する名前のサロンをよく見かけます。
こうしたサロンは、歯科医師(審美歯科医師を含む)が施術をしている場合もありますし、医師ではないスタッフが医師法や歯科医師法に触れない範囲内でサービスを提供しているところもあるようです。

当院プレジールも「デンタルサロン」という看板を掲げていますので誤解される方がいらっしゃるようですが、当院は審美歯科専門クリニックで、歯科医院の範疇に入ります。また、すべての施術は歯科医師が行っています。

歯科医師になるためには、6年制の大学の歯学科を卒業し、歯科医師国家試験に合格して歯科医師免許の交付を受けなくてはなりません。

さて、歯科医師免許は医師免許と同様、診療科ごとに交付されるものではありません。歯科、歯科口腔外科、矯正歯科、小児歯科など、歯科にもさまざまな分野がありますが、歯科医師免許は共通しています。

私たちプレジールの歯科医師は、歯科医師免許の交付を受けたのちに審美歯科などで経験を積み、専門知識や技術を磨いて患者様の施術にあたらせていただいています。
ですから、もちろん専門は審美歯科ではありますが、一般的な虫歯や歯周病治療の技術も当然身に付けています。

審美歯科では虫歯治療はできないの?

プレジールは「健康な歯を、できるだけ抜いたり削ったりしない」ことをポリシーとしていますが、例えばクラウンやインレーなどの施術の場合は、必要最小限度歯を削らなくてはならない場合もありますし、歯の根の治療が必要な場合もあります。

審美的に美しく、歯や口腔内の健康を保ちながら長年にわたって快適にご利用いただく施術をするには、歯科医師としての基本的な技術がしっかりしていなくてはならないのです。

ですから、必要とあれば、虫歯治療などの一般的な歯科医院で受けられる治療のほとんどはプレジールでも受けていただけます。

審美歯科と普通の歯科との違いは?

一般的な歯科と審美歯科の違いについては、日本歯科審美学会の日本歯科審美学会教授要綱にうまくまとめられていますので、ここに引用します。

「歯科審美学とは、顎口腔系における形態美・色彩美・機能美の調和を図り、人々の幸福に貢献する歯科医療のための教育及び学習に関する学問体系である」。

つまり、歯の治療や健康保持と審美的な美しさが調和することによって、患者様に真の幸福感やご満足をご提供できるという考え方です。

プレジールもこの考え方に基づき、施術にあたっては、

  • 「ものを噛む(食べる)」「しゃべる」といった歯の基本機能の回復・向上
  • 歯や歯茎、お口元の色やツヤといった健康美の回復・向上
  • 歯の形や歯並びなど、審美的な美しさの回復・向上

という3点の調和を第一に考えています。
例えば、「見た目の美しさのために噛み合わせを犠牲にする」といった、偏った施術は行いません。

審美歯科のメリット

審美歯科のメリットは下記のような要素が挙げられます。

  • 歯の見た目の悪さを改善できる
  • 歯のトラブルを早期解決できる

それでは、それぞれ詳しく解説します。

歯の見た目の悪さを改善できる

審美歯科というのは、歯の見た目を美しくするための治療をする分野のことです。

普通の歯医者さんが歯の健康を守るための治療をするのに対して、審美歯科では、歯の色や形、並び方をきれいにして、笑ったときに自信が持てるようにするための治療を行います。

歯のトラブルを早期解決できる

歯のトラブルには、虫歯や歯周病、歯のひび割れなど、さまざまな問題があります。

これらの問題が放置されると、痛みが出たり、歯を失ったりすることがあります。

見た目にも影響が出るので、日常生活に支障が出ることもあります。

審美歯科では、歯の見た目を良くするだけでなく、早めにトラブルを見つけて治療することができます。

たとえば、歯に小さなひび割れがあると、そこから虫歯が進行することがありますが、審美歯科の治療では、ひび割れを早期に見つけて修復することができます。

これにより、大きなトラブルに発展する前に問題を解決できます。

審美歯科のデメリット

審美歯科のデメリットとしては下記のような要素が挙げられます。

  • 治療費に健康保険が適用されない
  • 通院が長引く
  • 機能・健康面が考慮されない場合がある

それでは、それぞれ解説させていただきます。

治療費に健康保険が適用されない

審美歯科で行う治療の多くは、健康保険が使えません。

なぜなら、審美歯科の治療は、病気を治すためではなく、歯の見た目を良くするためのものであることが多いからです。

たとえば、ホワイトニングやセラミックを使った治療は、美容目的とされるので、保険が適用されないことがほとんどです。

審美歯科の治療を受けるときには、費用についてしっかり考える必要があります。

通院が長引く

審美歯科の治療は、歯の形や色、並びを細かく調整するため、1回の治療で完了しないことが多いです

たとえば、セラミックの被せ物を作るには、まず歯型を取ったり、仮の被せ物を作ったりする準備が必要です。

そして、その後に実際の被せ物を取り付けるので、数週間から数か月かかることもあります。

また、矯正治療の場合、歯を少しずつ動かして正しい位置に並べるため、治療期間が1年以上かかることも珍しくありません

このように、治療の内容によっては、通院が長引いてしまうことがあります。

機能・健康面が考慮されない場合がある

審美歯科では、歯を白くしたり、形を整えたりすることで、見た目を美しくすることが主な目的です

しかし、見た目を良くすることばかりに気を取られると、噛む力や歯の健康が後回しになってしまうことがあります。

たとえば、歯を削ってセラミックをかぶせる治療では、見た目が良くなる反面、歯を削りすぎると、元々の歯が弱くなってしまうことがあります。

また、無理な矯正を行うと、歯茎や歯の根元に負担がかかり、長期的に見ると健康に悪影響が出ることもあります。

治療を受ける前に、歯医者さんとしっかり話し合い、自分の歯がどうなるのか、治療後の生活にどんな影響があるのかを理解しておくことが重要です。

保険診療と自由診療

一般的な歯科の多くは保険診療で、健康保険証を提示することで、少ない自己負担で診療が受けられますが、プレジールは完全自費診療で、保険の利用はできません。

保険診療には「少ない負担で医療が受けられる」というメリットがある反面、すべての人が平等に、少ない負担で医療を受けられるよう、保険の適用範囲が細かく定められているという制約があります。
直接的な治療以外の医療、つまり病気の予防や審美目的の医療などには保険は適用されないのです。
また、保険診療では病気によって治療法が指定されたり、医師が選択できる薬の種類も制限されたりといった「医療の標準化」が進められております。

ですから、例えば虫歯の治療など、治療法も薬の種類もほぼ標準化されているものに関しては、保険診療を行っている歯科医院で治療していただいたほうが、患者様の医療費負担が軽くなります。

また、奥歯が虫歯になって、それを削ったあとにクラウンをかぶせるような場合、小臼歯:前から数えて4番目と5番目の歯は保険医療機関でも白い歯を被せる事が出来る様になりました。大臼歯の歯はクラウンの材質が銀歯(金銀パラジウム合金など)に限られてしまいます。
このような場合、もし「銀歯は目立つので白い歯にしたい」ということであれば、プレジールならオールセラミックやフルジルコニア、メタルボンドなど、さまざまな材質のクラウンがお選びいただけます。しかし、いったん保険医療機関で銀歯のクラウンをかぶせてしまうと、そのクラウンを外してから改めて別のクラウンをかぶせる施術が必要になります。

保険診療と自由診療で迷われた際には、虫歯を治療する時点で予め当院にご相談いただき、予算面も含め、どのように治療・施術していくのが患者様にとってベストなのかを、いっしょに考えることができればと思います。

※保険診療を柱としている一般的な歯科医院でも、高水準な医療が必要な場合には、自由診療をすすめられるケースが増えています。また、保険診療を取り扱わない歯科医院もあります。

治療予防・審美の3つが調和した審美歯科の活用を!

今回は、「審美歯科では虫歯の治療をしてくれないの?」という素朴な疑問についてご説明してきました。
まず、審美歯科医師は一般的な歯科医師としての免許を持ち、技術も身に付けていること。そして、審美歯科とは「歯の見た目の美しさ」だけを追求する歯科ではなく、治療・予防・審美の3つが調和した総合的な歯科であることがご理解いただけたことと思います。

そして「審美歯科でも虫歯は治せます。ただ、審美性よりも機能を重視する一般的な治療なら、保険証が使える歯科医院のほうがお得ではありませんか?」というのが結論です。

「審美歯科は保険が利かない」という理由だけで審美歯科を敬遠されるかもしれません。しかし、多少お金をかけてでも、治療・予防・審美の3つのトータルバランスを考えた満足度の高い医療を受ける選択肢がある事を頭の片隅にでも記憶しておいてください。

  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。