こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をいつもご愛読くださりありがとうございます。
さて、今回は「PMTC」についてホンネのお話をしたいと思います。
PMTCは近年、歯周病や虫歯の予防・症状改善に役立つ積極的な予防歯科施術として、広く一般的に知られるようになってきました。「3ヵ月に1回くらいのペースでPMTCを受けましょう」と推奨する歯医者さんも増えてきたようです。そうした影響もあってか、当院にも「PMTCは受けられますか?」というお問い合わせをよくいただきます。
しかし実は、PMTCとは特定の施術を指す言葉ではなく、施術内容に明確なルールや基準はありません。このため、せっかくPMTCを受けても満足のいく結果が得られなかったり、「想像していたものと違う」といった不満を感じたりというケースもあるようです。
そこで今回は、「そもそもPMTCとは何なのか?」を少し掘り下げてご説明し、PMTCを行っている歯科医院でも、医院や医師によって施術の内容やサービスが大きく異なる理由をお話ししたいと思います。
PMTCの基本的な考え方とは?
厚生労働省の「厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト」という資料では、PMTCのことを「歯石除去・歯面清掃」と呼び、医師や歯科衛生士などの専門家が、歯科用の専門器具を使って歯をクリーニングするサービス。それがPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の基本的な考え方です。
PMTCの定義は「歯科医師又はその指示を受けた歯科衛生士が、歯科用の切削回転器具及び研磨用ペーストを用いて行う歯垢除去等」と説明しています。
虫歯や歯周病の原因を取り除き、健康な口腔内環境を維持・継続する事を目的として行われます。
PMTCは意味がない?効果について
PMTCの主たる狙いは「予防歯科」です。
私たち一人ひとりが毎日行う正しいセルフケアと、定期的に歯医者さんでプロフェッショナルケアを受けることが口腔内の健康を保ち続けるのです。
つまり、PMTCの究極の目的とは「歯石と歯垢を完全に落とし切ること」にあります。
予防歯科先進国・スウェーデンのペール・アクセルソン博士(Prof. Axelsson D.D.S.,ph.D.)は、著書「本当のPMTC」の中でPMTCの重要性を説いています。成人を対象とした30年に渡る研究から、「適切なPMTCによって、97.7%の確率で患者の口腔内を長期間健康に維持する事ができうる」と主張しています。
ここで重要なのは、「適切なPMTC」です。具体的には、適切なペーストと、適切な器具を用い、適切な頻度で行う事です。
PMTCの仮想フルコースメニュー
費用や時間の制約を受けず、理想的なPMTCを行うとしたらどのようなものになるのでしょうか? 仮想の「PMTCフルコースメニュー」をご紹介しましょう。
PMTCは、「可能な限り徹底的に歯石と歯垢を取り除く」施術に加え、患者様が毎日適切なセルフケアをしていただけるよう、セルフケアのレクチャー(歯磨き指導)をすることも重要です。そこで、下記のフルコースメニューでは、歯磨き指導にも重点を置いています。
- 歯や歯茎の状態を診察し、どのような施術が適切かを歯科医師が判断します。この際に歯垢染色剤で染め出しを行い、磨き残しの状態をチェックして歯磨き指導に役立てる場合もあります。
染め出しを行わない場合、歯垢が付いている場所を患者様と一緒に確認します。 - 「スケーラー」という器具を使って歯石を除去します。機器を使用する際に歯や歯茎を傷付けないように丁寧に歯石を取り除きます。
- おもに歯間をきれいにする円錐型の「ラバーチップ」、歯の表面をきれいにする「ブラシ」、歯と歯茎のあいだをきれいにするお椀型の「カップ」といった切削回転器具を使って、歯面を清掃・研磨していきます。なぜ研磨が必要かというと、歯の表面をツルツルにしてあげる事で、歯垢が歯にへばりつくのを防ぐのです。
- 上記の器具のほかに歯間ブラシ、デンタルフロスなどを補助的に使って、さらに徹底的に歯面をきれいにし、同時にそれらのデンタルグッズの正しい使い方を患者様に指導します。
- 歯周ポケット内を洗浄・殺菌します。
- 歯を強くし、虫歯予防に効果があるフッ素を塗布します。
- 患者様お一人おひとりの歯並びの状態に合わせた歯磨き指導を行い、磨き残しの生じやすい部分や、そういう場所に効果的な歯磨き方法を、実演を交えてアドバイスします。また、場合によっては患者様に適切な歯ブラシや歯磨き剤、デンタルリンス、デンタルグッズの選び方についてアドバイスすることもあります。
ただし、ここでご紹介したメニューは、一例です。歯科医師の方針や患者様のお口の状態に応じてPMTCのメニュー内容が多少異なる場合も考えられます。
PMTCだけではだめなのか?
今回は、
- PMTCの施術内容は特に決められていないこと
- 保険診療でPMTCは、受けられないこと
- PMTCの目的は予防歯科ですが、プロフェッショナルケアと、セルフケアの両方が実現されることにより、効果が発揮されること
などについてお話しさせていただきました。
また、私なりに理想的と思えるPMTCのメニューもご紹介させていただきました。
プレジールでは、「PMTC」とは表記していませんが、実質的に上記のPMTCの内容を含む「歯のクリーニングメニュー」をご提供させていただく事になりました。
例えば、着色汚れを徹底的に落としステインの再付着を防ぐ施術をはじめ、歯茎やお口元を若々しく見せるプラセンタジェルを使ったマッサージ、リップエステなど、一般的なPMTCではご満足いただけない患者様に向けて考案させて頂きました。
もちろん、施術の際には歯磨き指導だけでなく、歯・お口元全体の美容、アンチエイジングなどに関するご相談やアドバイスもお気軽にお申し付けください。
「せっかくPMTCを受けるなら、歯の健康だけでなく歯・口元の美しさも同時に手に入れたい」とお考えの方は、ぜひ当院の歯のクリーニングについてお問い合わせいただければと思います。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。