コラム

Column

審美歯科、デンタルエステ、セルフホワイトニングサロンの違い 名前が違うだけで内容は同じなの?

2016.07.11

クリーニング

ホワイトニング

審美歯科について

こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をお読みいただき、ありがとうございます。

さて、先日ある患者様から「最近『デンタルエステ』とか『セルフホワイトニングサロン』といった看板や広告をよく見かける気がしますが、どう違うのでしょうか?」というご質問をいただきました。
確かに、一般の皆様にとっては違いがわかりにくいのではないかと思われますので、これらの違いについて説明させていただきたいと思います。

プレジールは審美歯科医が診療・施術する「医療機関」です

当院の名称は「審美歯科専門クリニック デンタルサロン・プレジール」です。
「クリニック」という名称でおわかりのとおり、当院はれっきとした医療機関であり、歯科医師国家試験に合格して厚生労働大臣から歯科医師免許をもらった審美歯科医師が患者様の診療にあたっています。

なお、審美歯科医師も歯科医師であることに違いはありませんが、さらに審美歯科専門の勉強と経験を積んだ歯科医師が「審美歯科医師」と名乗っています。

ただ、当院の場合は名称の一部に「デンタルサロン」という表現があるため、たまに「歯のエステティックサロンのようなもの?」と勘違いされる方もいらっしゃるかもしれません。
プレジールはデンタルクリニックであると同時に、「ただ歯の治療をするだけでなく、歯や口元の美しさを追求される患者様のお望みを叶え、くつろいだ楽しい時間を過ごしていただけるリラクゼーションの場所であるように」という願いから「デンタルサロン」という言葉を添えています。

医療行為か、それ以外のサービスか? それが問題です

さて、皆様は歯の医療機関(歯科医院・デンタルクリニック・デンタルオフィス・デンティストリーなど)と、エステティックサロンとの違いについてはご存じでしょうか?

「病院やクリニックはケガや病気を治したり検査を受けたりするところ。エステティックサロンは美容やリラクゼーションのための施術を受けるところ」と漠然と区別なさっておられる方も多いと思います。
概ねその考え方は間違っていません。ただし、覚えておいていただきたいのは、「医療行為を業務として行えるのは医療関係者(医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士など)だけ」という点です。

これは、デンタルクリニックとデンタルエステの違いにもそっくり当てはまります。歯科医師・歯科衛生士のいないデンタルサロンでは、虫歯治療はもちろん、患者様の口の中に手を入れることさえ法律に違反します。
また、歯科医師がおらず歯科衛生士がいるデンタルエステでは、医療行為の一部(これを相対的歯科医行為といいます)は認められていますが、歯科衛生士だけでは歯を抜く・削ることはもちろん、注射や、歯に詰め物やかぶせ物などを装着することもできないのです。

また、歯科医師の指導のもとでしか使えない医療機器、医薬品(例えばホワイトニングに用いる過酸化水素など)も多く、このため、歯科医師のいないデンタルエステでは効果の高い医療機器、医薬品の多くが使えないことになります。仮に歯科衛生士がいたとしても、「歯科医師の指導のもとでしかできない処置」が数多くあるのです。

もちろん、そうした治療や処置を必要としない、お口まわりの美容やリラクゼーションを提供するサービスをご希望であれば、エステサロンに歯科医師や歯科衛生士がいる必要はありません。ですから、患者様はご自分のご希望する施術やニーズによって医療機関とそれ以外のデンタルエステサロンをお選びになっていただければと思います。

とはいえ、「○○デンタルエステ」という名称であっても、実際には歯科医師が中心となった医療機関である場合もありますし、名称だけでそこが「医療機関なのか、それ以外のデンタルエステなのか」が判断できない場合もあります。そういうときは、「このサロンには歯科医師や歯科衛生士はいますか?」と、施術をお受けになるまえに確認しておいたほうが安心でしょう。

プレジールでは、デンタルエステで提供している多くの美容目的の施術・リラクゼーションサービスも、診療と併せてご提供しております。審美歯科医師だからこそ、歯・口元の健康・医療・美容を総合的に考えた効果的なサービスがご提供できるものと自負しております。

セルフホワイトニングサロンとは?

最近見かけることが多くなったサロンの中に、「セルフホワイトニングサロン」があります。
「これも歯科医院の一種かな?」「ホワイトニング専門のクリニックかしら?」などと考えておられる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、「セルフホワイトニング」というジャンルは、医療機関やデンタルエステとはかなり性格が異なっていることをご理解いただきたいと思います。

この場合のセルフホワイトニングとは、「患者様がご自身の手でホワイトニングするのを手伝う」ということを意味します。

プレジールをはじめ、医療機関がご提供しているホワイトニングには、
○オフィスホワイトニング…クリニックにお越しいただき、歯科医師が施術するホワイトニング
○ホームホワイトニング…歯科医師が型取りして作ったマウスピースを使い、歯科医師の指導のもと、患者様ご自身がご自宅で行うホワイトニング
の2種類があります。どちらも効果や安全性を高めるため、歯科医師の診察やアドバイスが必要です。

これに対し、セルフホワイトニングは、「歯科医師の診療を必要としない、医療行為ではないホワイトニング」です。

セルフホワイトニングサロンの中には、「歯科医師も歯科衛生士もおらず、サロンでトレーニングを受けたスタッフがサービスにあたっている」というところもあります。こういったサロンでは、スタッフは患者様の口の中に手を入れられず、当然施術もできませんから、患者様ご自身の手で施術していただくということになるようです。歯科医師がいませんから、歯科医師のもとでしか使えない過酸化水素(薬液)は使えませんし、同様の理由で高出力のレーザー照射などもできません。

セルフホワイトニングサロンにもさまざまな業態があり、「セルフホワイトニング」を謳っていても、実際には歯科医師や歯科衛生士が施術にあたっているところもあるようですから、すべてのセルフホワイトニングサロンが上記のとおりだと決めつけるわけではありません。

セルフホワイトニングサロンには、「医療関係者がいなくても使用できる、歯を白くする効果の高い薬液」を独自に開発したというところもありますし、医療機器ではないものの、LED光の照射装置などは使っているようです。効果のほどはサロンによってまちまちでしょうから、一概に良いとも悪いとも言えませんが、歯科医師や歯科衛生士の人件費が省けること、施術自体を患者様みずから行うことなどから、平均費用は安いようです。

歯科医師のホンネとしては「やはり歯科医師のもとでホワイトニングをしていただいたほうが安心だけどなぁ…」と思ってしまいますが、結局のところ患者様のお考え次第でしょう。

費用が気になるなら、まずはクリーニングを受けてみては?

ここでは、

  • 医療機関とそれ以外のデンタルサロンの違い
  • 歯科医師あるいは歯科衛生士にしか許されていない医療行為について
  • セルフホワイトニングサロンとはどのようなサロンか

といったことを説明してきました。名称だけではわかりにくい業態の違いがご理解いただけたのではないでしょうか。

そして最後にご説明したセルフホワイトニングについてですが、もしもあなたが歯の黄ばみ/くすみ/黒ずみなどにお悩みになっていて、「本当はクリニックでホワイトニングを受けたいのだけれど、費用が高くて受けられない」という理由からセルフホワイトニングを選ぼうとしていらっしゃるのなら、まずは当院のクリーニングコースをお試しになってみてはいかがでしょうか。

歯の表面の汚れ(ステインなど)であれば、ホワイトニングでなくても、クリーニングによって見違えるほど自然な歯の白さを取り戻せるかもしれません。

プレジールでは5つのコースのクリーニングをご用意しており、目的や費用など、患者様のご都合に合わせたコースがお選びいただけます。
また、クリーニングを受けていただく際に、審美歯科医師があなたの歯の状態をチェックして、望ましいホワイトニング方法などについてアドバイスもさせていただきます。
まずはクリーニングで歯をピカピカにしてから、「ホワイトニングが本当に必要かどうか?」を検討しても遅くはないのではありませんか?


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。