こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ココだけの話」では、毎回歯科医師としての立場から、皆様の口元の美と健康を保っていただくためのアドバイスをさせていただいています。
今回は、プレジールにお越しになる患者様のあいだでも特に関心を持つ方が多い「ホワイトニング」について、基本的なご説明をさせていただきたいと思います。
最近は日本でもすっかり一般的になってきたホワイトニングですが、まだ、「ホワイトニングをすると歯が弱るのでは?」といった誤解をしておいでの方がいらっしゃいます。そこで、プレジールで行っているホワイトニングがどのようなものなのか、なぜ安心・安全なのかといったことをわかりやすくお話しできればと思います。
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニング
ホワイトニングにもいろいろな種類がありますが、まず大きく下記の2種類に分けられます。
- 歯科医師の指導の下、ご自宅でマウスピースを使ってご自分の手でケアする「ホームホワイトニング」
- デンタルクリニックで施術を受ける「オフィスホワイトニング」
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの大きな違いは、施術内容になります。
ホームホワイトニングでは、専門の機器などがないご自宅でも施術していただけるよう、オーダーメイドのマウスピースに薬剤を入れ、1日数時間装着するという方法となります。ホームホワイトニング用の薬剤は歯肉炎の治療薬としても使用されている過酸化尿素を主成分としたもので、歯への刺激が少なく、じっくりと歯の着色物を無色透明に分解していきます。過酸化尿素は過酸化水素と尿素が結合したもので、ホワイトニングに有効な過酸化水素の濃度は分解されて1/3となります。
また、オフィスホワイトニングは、過酸化尿素よりもさらに効果の高い過酸化水素を用います。高濃度の過酸化水素は刺激が強いのですが、水で薄めたものは「オキシドール」など体やお口の中の消毒としても使われており、安全性が確認されています。一部の食品添加物にも使われています。もちろん、オフィスホワイトニングで使われる過酸化水素は安全なレベルに薄められ、歯科医師の管理の下で使われますから、安心して施術を受けていただけます。そしてさらに、光を歯に当てることで活性を高め、ホームホワイトニングよりも急速に歯の色素を分解できるというメリットを持っています。
このため、ホームホワイトニングに比べて、オフィスホワイトニングのほうが短期間の施術で歯が白くなることが実感していただけるでしょう。プレジールではオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングの両方の施術を提供していますが、オフィスホワイトニングには即効性があり、1~5回の通院で効果を実感していただけることと思います。
ただし、ホームホワイトニングのほうが施術期間は長いのですが、歯の奥にしみこんだ色素をじっくりと分解していくため、オフィスホワイトニングよりも長期にわたって歯の白さを持続しやすいというメリットがあります。
ホワイトニングの原理とは?
オフィスホワイトニングでは過酸化水素を、ホームホワイトニングでは過酸化尿素を用いて歯を漂白するということはおわかりいただけたと思いますが、その原理をもう少し詳しくお話ししましょう。
過酸化水素が分解するとき、過酸化水素から「フリーラジカル」(不安定な状態で、ほかの物質から電子を奪い取って安定しようとする性質を持つ分子)が発生します。
このフリーラジカルは、歯の表面に付着した着色物質(歯の着色汚れの原因となっている、色素を持ち、細長い構造をしている物質)を短く切断し、着色物質の色を薄くしていく性質を持っています。
少し話が難しくなりすぎたでしょうか?
つまりフリーラジカルが歯の表面に付着した色素を分解して白くなるのです。
一時的な「副作用」にご用心!
ホワイトニングを行うと、一時的に歯の表面のエナメル質が光を乱反射させるようになります。このため、ホワイトニングの施術直後は、ひときわ歯がくっきりと白く見えることがあります。しかし、残念ながらこの白さはエナメル質が元の状態に戻るまでの数時間しか継続しません。
また、歯の表面は「ペリクル」というたんぱく質の膜で覆われ、飲食物などの酸からエナメル質を保護しています。ホワイトニングの直後はペリクルがはがれているため歯が白く見えることがありますが、ペリクルは歯を保護するために必要不可欠な膜ですから、すみやかに再形成され、歯の色も自然に落ち着きます。
これらの作用はあくまでもホワイトニングによる一時的な副作用でしかなく、歯の白さは少しずつ落ち着くため、一度オフィスホワイトニングを受け田だけですと色の後戻りを感じやすくなります。白さを継続するには複数回の施術やメンテナンスが必要です。
まずは現在の歯の状態をしっかりチェック!
通常歯科医院で取り扱っている薬剤はFDA(アメリカ食品医薬品局)や厚生労働省で認可されたものです。歯科医師の管理の下、ホワイトニングを行う事は、歯の色素だけを分解してくれる安全な施術だということがご理解いただけたでしょうか?
また、オフィスホワイトニングは比較的短期間で即効性をご確認していただきやすく、ホームホワイトニングはより長期的に歯の白さが保ちやすい施術であることもご理解いただけたことと思います。
ただし、歯の表面に光沢がなく、凸凹や細かい傷が多い方などはホワイトニングの効果が出にくい場合があります。また、天然の歯ではない差し歯やクラウンなどが多い方の場合、ホワイトニングによって天然の歯だけが白くなってしまうことによって、人工歯との見た目の色の違いが目立ってしまうといったリスクもあります。
知覚過敏の方や歯にひび割れがある方の場合、薬液がしみる可能性がありますのでホワイトニングはおすすめできません。また、虫歯がある方は先に虫歯の治療をしてからホワイトニングをおすすめする場合もあります。
いずれにせよ、ホワイトニングをご希望の方に対しては、歯科医師が現在の歯の様子をしっかりとチェックしてから、ホワイトニングが適切な施術であるかどうかを診断します。
まずは、信頼の置ける歯科医師に歯の状態を確認してもらうこと、これが安全で美しいホワイトニングを行う上で最も重要なステップです。
執筆責任者
院長 中村
日本歯科大学新潟生命歯学部卒業。一般開業医での勤務、2020年よりデンタルサロン・プレジール歯科医院長就任。
従来の歯科の考え方にはなかった「健全な歯を削らずに」得られる審美歯科がここにあります。
当クリニックを訪れてくださった方に、笑顔に自信を持っていただくことを一番に考え、対応させていただいております。