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ラミネートベニアとは?

2015.10.26

ラミネートべニア

審美歯科について

こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。

さて前回に引き続き「ホンネで薦める審美歯科ココだけの話」としてお届けする今回は、審美治療法の一つ、「ラミネートベニア」についてご紹介します。

ラミネートベニアの概要、メリット、デメリットについて、ラミネートベニアの基礎知識から簡単に審美歯科医の目線で、ホンネでお話したいと思います。

そもそも、ラミネートベニアとは?概要とコストについて

一般的にラミネート加工という言葉はよく目にしますが、ラミネートは「アルミ箔・紙・フィルムなどの薄い材料を貼り合わせて層をつくる加工法」のことを言い、ベニアとは「木材の薄板。単板」のことを意味します。(三省堂大辞林より)

つまりラミネートベニアという治療方法は歯の表面をエナメル質の範囲内(0.5ミリ程度)削り、薄いシェルを歯科用の接着剤で貼り付けることを言います。

女性の方は特にご理解しやすいと思いますがネイルチップ(付け爪)のようなイメージです。
ラミネートベニアでは歯の色、形、大きさ、歯並び、歯のすきまを改善することができます。他の審美治療と同様に保険治療適応外のため自費診療で行われます。費用は1本10万〜15万円程度が一般的です。

ラミネートベニアの歴史

ラミネートベニアは、その貼るという特色からテトラサイクリン歯※1のようなホワイトニングでは白くなりにくい方の歯の色の改善として広く使われるようになりました。

ラミネートベニアは歯の色を改善するためにはホワイトニングの他に、以前は、歯の全周を大きく削ってその上にクラウンを被せる方法が一般的でした。
しかし、素材自体の強度の向上や、装着時に使用する歯科用接着剤の接着力向上により、クラウンのように大きく全周を削る必要がなく、ラミネートベニアは唇側の歯の表面だけを削るので、治療期間も短縮され比較的気軽に出来るようになったため、現在ではラミネートベニアが広く普及することとなりました。

※1:テトラサイクリン歯とは歯の形成期にテトラサイクリン系の抗生剤を服用することによって、色素沈着が起こった歯のことを言います。着色は独特で、濃い黄色やグレー色を示し、左右対称で縞模様が現れることが多いです。テトラサイクリン歯の方はホワイトニングをしても白くなりにくかったり、後戻りしやすい特徴があります。

ラミネートベニアでの治療が向いている症状とは?歯のお悩み別対応例

1.歯の色が変色している場合の治療に

上記でお話ししたように、歯の色の改善というのが最適応ではないでしょうか。
自分のお好みの白さにすることができるので、テトラサイクリン歯だけでなく、芸能人の方のような真っ白い歯にすることもできます。
また、ホワイトニングの場合白さをキープするために定期的なメンテナンスを必要としますが、ラミネートベニアですと長期的にお色が継続できます。(注:ラミネートベニアでも定期的な検診やクリーニングは必要です)

2.歯の隙間(すきっ歯)がある場合の治療に

ラミネートベニアは、歯の隙間、いわゆる「すきっ歯」の改善もできます。
隙間の両隣の歯を少し大きくして歯の隙間をキレイに埋めることができます。
ただし、隙間を埋めたことによって最初は歯が大きく感じることもあります。
また、歯が一本丸々入るような大きな隙間はラミネートベニアの適応外です。

3.歯並びが悪い場合の治療に

ちょっとした段差や歯並びもラミネートベニアで整えることができます。
しかし、出ている歯を引っ込めたい場合や、全体的にガタガタしてる場合は難しいです。

4.歯の形が悪い場合の治療に

噛み合わせに問題なければ少し歯の大きさを変えたり、歯の形を変えることもできます。歯の形を四角くしてそろえたように見せたいですとか、女性らしく少し丸みのある歯にしたいというご希望も叶えることができます。

ラミネートベニアを審美歯科として選択するメリット、デメリットは?

ラミネートベニアのメリット

  • クラウンに比べて削る量が圧倒的に少ない。
  • そのため治療が短期間で終了する。
  • 希望の歯の色にする事が出来、軽度の歯並びの改善、形態の修正が出来る。

ラミネートベニアのデメリット

  • 歯ぎしり、くいしばりが強いと割れたり欠けたりすることもある。
  • 少ないとは言っても、自分の歯を削ることになる。
  • 噛み合わせや歯並びによってはラミネートベニアではできないことがある。

ラミネートベニアでのトラブルは?

ラミネートベニアで治療をしようと思った時、何かトラブルがないか心配になりますよね。ここで注意点をお話し致します。 基本的には歯の表面のエナメル質の範囲内を削りますが、厚みや強度を得るために、エナメル質の範囲を超えて象牙質まで削られてしまう場合があるようです。
削りすぎることによって、後々歯が痛みを感じてしまうこともあります。
ラミネートベニアで治療したはずが、状況によってクラウンになってしまったり、歯の神経を取らないといけなくなってしまいます。

また、他のケースとして神経を取って黒ずんでしまった歯にラミネートベニアを貼ることがあります。
通常であれば問題ありませんが、神経のない歯は虫歯を繰り返していることも多く、詰め物でつぎはぎしている場合があります。
神経のない歯は健康な歯に比べて脆くなりやすいため、さらにつぎはぎになっていると、歯質が少なく折れやすくなる可能性があります。
この場合、歯の状態によってはクラウンの方が適していますので、しっかりと診断を受けてから治療を始めましょう。

ティーシーズとラミネートベニアとの違い

ちなみに当院でのみ行っているティーシーズという治療法も、ラミネートベニアと同様に薄いシェルを歯の表面に貼る方法です。
ラミネートベニアと何が違うのかと言うと、歯を削るか削らないかの違いです。
ティーシーズは歯を削らないため、歯を引っ込めたいという方には難しいかもしれませんが、歯を削らないという最大のメリットがあります。

皆様、ラミネートベニアについてご理解頂けましたでしょうか?

ラミネートベニアは薄い歯を使うため、実は高い技術力が必要な治療です。

何よりもまずはしっかりと歯科医師にカウンセリングを受け、ご自分には何の治療が合っているのか、信頼できる医院なのか、ご自身の目でじっくりとご検討いただき、ご納得頂く事が大事です。


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。