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「すきっ歯」の治療法はひとつじゃない! 知っておきたいそれぞれの特徴

2017.05.23

すきっ歯

皆様、こんにちは。デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をご愛読くださり、ありがとうございます。

さて、今回ご紹介したいのは「すきっ歯の治療方法」です。「すきっ歯」とは、抜歯などの結果ではなく、自然に歯と歯のあいだが空いている状態のことです。生まれつき歯が小さい「矮小歯」や、先天的な歯の欠損が原因の場合のほか、頬杖や舌癖といった後天的な癖によって引き起こされます。前歯であれば見た目が気になりますし、歯のあいだから息がもれるため「さ行」や「た行」、英語の「s」や「th」の音が発音しづらくなるでしょう。奥歯でも食べ物が挟まりやすく、口臭の原因になりますし、磨き残しが増えて虫歯や歯周病になるリスクもありますので、治療しておいたほうがいいでしょう。プレジールでも多くの患者さんからご質問を受ける内容ですから、今回はすきっ歯の治療法と特徴をまとめてご紹介したいと思います。

大きく分けると5種類あるすきっ歯の治療方法

すきっ歯の治療方法は、大きく分けると次の5種類です。

  1. ダイレクトボンディング
  2. 人工歯を貼る
  3. クラウン
  4. 歯列矯正(ワイヤー、マウスピース、インプラントなど)
  5. 全顎矯正や包括的歯科治療

それぞれについて、もう少し詳しく説明していきましょう。

1. ダイレクトボンディング

「レジン」と呼ばれるプラスチック樹脂を直接歯に盛り付けていき、歯のあいだにできた隙間を埋める方法です。歯の隙間を埋めるほか、欠けた歯の治療などにも用いられています。

出来上がりの質感は使う樹脂によって変わりますが、自然の歯に近い色や形を作ることが特徴です。歯を削る量が少なくて済み、型を取らずに治療が可能ですので、1日で治療が完了するメリットがあります。デメリットは、審美性の回復が目的の場合、保険適用外となりますから、1本あたり1~5万円ほどと高額になってしまうことです。さらに、歯科医師により完成度に大きな差が出ること、セラミックのような強度を得られないことが挙げられます。また、歯と歯の隙間が広い場合は、そもそもこの治療法を採ることはできません(目安は3mm以下の隙間です)。また咬む力の強い奥歯の歯に生じているすき間には、向いていません。

2. 人工歯を貼る(ラミネートベニア)

歯に付け爪をつけるように、歯の表面に薄い人工歯を貼ることで隙間を埋める方法です。

ダイレクトボンディングとの違いは、歯全体を希望の色にすることができ、治療後の着色・変色が少ないことです。また、クラウンに比べても歯を削る量が圧倒的に少なく、治療も短期間で終わるのがメリットです。デメリットは、ほとんどの場合0.5mmほどですが歯を削らなくてはいけないこと、歯ぎしりや食いしばりなどで強い力がかかり続けると割れる場合があること、費用が1本10~15万円と高額であること、噛み合わせや歯並びの状態によってこの治療法を選べないことなどが挙げられます。

3. クラウン

人工の歯を被せる方法で、過去に虫歯治療歴があって詰め物が入っている場合や、すでに歯の神経を抜いている場合に使われます。素材はセラミックやプラスチック、金属などさまざまなものがありますが、審美目的の場合はセラミックが選ばれる傾向があるようです。

セラミッククラウンのメリットとしては、自然な色を再現しやすく本物の歯に近い質感が出せること、金属アレルギーの心配がいらないことなどが挙げられます。一方のデメリットとしては、金属の被せ物に比べると割れる可能性がやや高いこと、薄く作れる金属のクラウンに比べて厚みが必要な為、歯を削る量が多くなることなどが挙げられるでしょう。

4. 歯列矯正(ワイヤー、マウスピース、インプラントなど)

1~3が「歯に加工を施して隙間を埋める」方法であるのに対し、「歯列矯正」は元の歯を活かして、動かすことで隙間を埋めようとする方法です。歯が斜めに生えているなど、ほかの方法では治療が難しい場合や、全体の歯並びが悪い場合に選ばれ、多くの場合は全体ではなく部分矯正となります。歯を抜いたり削ったりしなくて良いのがメリットですが、ほかの方法に比べて時間も費用もかかるのがデメリットです。なお、歯列矯正は使う矯正器具の種類により、次のような違いがあります。

ワイヤー…ワイヤーをブラケットで歯に固定するタイプです。一度つけたら治療終了まで外せませんが、24時間歯を動かすことができます。
マウスピース…透明なマウスピースを使って歯を動かす方法です。一日15時間以上の装着が必要ですが、ワイヤーに比べて痛みが少なく、取り外しができる特徴があります。
インプラント…矯正用インプラントを固定する方法です。ワイヤーやマウスピース治療では動かしづらい歯を動かしたいときや、ピンポイントで歯を動かしたいときに向いています。矯正治療にかかる時間が大幅に短くなることも特徴です。

5. 全顎矯正や包括的歯科治療

重度の歯周病やすきっ歯部分以外の歯並び・噛み合わせにも問題があるなど、すきっ歯だけ治しても良い結果につながらない場合の治療法です。歯周病治療や抜けている歯の再構築から始め、口腔内全体の環境を整えていきます。

ご紹介した治療法には一長一短があり、特にどの治療法が優れているということはありません。ただし、医学的な問題がなく、審美目的ですきっ歯を治療したいのであれば、プレジールで提供している人工歯を貼る治療法「ティーシーズ」おすすめです。歯全体を希望の色にでき、治療後の着色・変色が少ないという特長に加え、歯を削ることもありません。また、必要であればいつでも外すことができるという独自のメリットも備えています。すきっ歯にお悩みの方はいつでもご相談ください。(ラミネートベニア同様、咬む力の強い奥歯の歯に生じているすき間には、向いていません。)


  • コラムに掲載されている施術などは、必ずしも当院でご提供してるサービスに限りませんので、ご了承ください。