「すきっ歯」の治療は保険内でできる?治療しないとどうなるの?

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こんにちは!デンタルサロン・プレジールの歯科医師、川邉(かわべ)です。いつも「歯医者さんがホンネで薦める審美歯科ここだけの話」をお読みくださり、ありがとうございます。

さて、今回取り上げさせていただくのは、ある読者の方からいただいた「すきっ歯の治療への保険適用」に関するご質問です。美容歯科医師としてのホンネで、率直にお答えしたいと思います。

Q:すきっ歯をダイレクトボンディングで治療する場合、保険は適用されますか?また、治療せず放置した場合はどうなりますか?

子供のころからすきっ歯で、気になりつつも今まで放置してきました。しかし、友人から「ダイレクトボンディングという方法を使えば、1日ですきっ歯が治せる」と聞き、やってみようかと思うのですが、同じダイレクトボンディングでも保険適用になる場合とならない場合があるという点がよくわからず、費用面の心配もあって躊躇しています。すきっ歯をダイレクトボンディングで治療する場合、保険は適用されるのでしょうか?保険が適用されないなら、治療せずにもう少し放っておこうかとも思うのですが、放置した場合はどうなるでしょうか?

T美

A:保険適用にはなりませんが、治療法はいくつかあります

T美様、ご相談ありがとうございます。
すきっ歯の治療についてお悩みとのことですが、治療法に保険が適用されるかどうかは大きいですよね。費用をはじめ、心配になる気持ちはとてもよくわかります。

ダイレクトボンディングはT美様のご友人が言われたとおり、すきっ歯の治療に使われる治療法です。ただし、これもおっしゃるとおり保険の適用には治療対象による制限があり、残念ながら今回の場合は保険適用の範囲外となります。この場合、費用は平均1本あたり50,000円ほどです。

ですが、すきっ歯の治療法はダイレクトボンディングだけではありませんし、ダイレクトボンディングも万能ではなく、施術者の腕によって出来上がりが大きく左右されるなどのリスクもあります。どの治療法が一番良いかは、すきっ歯の状態次第なので、必ずしもダイレクトボンディングが一番適しているとも限りません。治療せずに放って置いた場合に起こりうることも含め、すきっ歯の治療法全般についてもう少しお話ししたいと思います。

審美目的のダイレクトボンディングは保険適用外

ダイレクトボンディングとは、歯科用のプラスチックである「レジン」という素材を使って、歯の隙間を埋めたり欠けた歯の形を修復したりする治療法です。虫歯を削ったあとの詰め物など、歯科治療ではよく使われる素材で、治療法としては珍しいものではなく、虫歯を削ったあとの詰め物や歯が欠けた場合の修復などに使う場合は、保険診療の対象となっています。ただ、審美歯科目的でダイレクトボンディングを行う場合は、見た目に配慮して審美的により高品質で経年劣化が少ない素材を使います。そのため、審美目的の場合は保険適用外となり、今回のケースでは保険適用は受けられません。

すきっ歯を放置するとトラブルにつながることも…

しかし、歯科医師の立場としては、T美様がそのまますきっ歯を放置してしまうことはおすすめできません。
というのも、治療しないまま放置してしまうと、次のようなさまざまなトラブルにつながったり、日常生活で不便を感じたりすることがあるからです。

1. 虫歯や歯周病になりやすくなる

すき間の大きさによっては、食べ物が挟まりやすく、歯ブラシも届きにくいため虫歯になるリスクが高まります。また、隙間に挟まった食べかすを無理に取ろうとして歯肉を傷付けてしまうと、歯茎の炎症や歯肉炎の原因になることもあります。

2. 発音が不明瞭

隙間の大きさにもよりますが、歯のあいだから空気が漏れてしまうと「さ行」や「た行」の発音が不明瞭になりがちです。また、英語の「s」と「th」を発音し分けるのも難しく、正しい発音ができない場合があります。

3. 口臭が発生しやすい

すきっ歯自体が原因というわけではありませんが、食べ物が挟まりやすい分、それをエサとする雑菌が繁殖しやすい環境であるため、口臭の発生につながることもあります。

しっかり歯科医師の話を聞き、満足度の高い治療法を選んで

一口に「すきっ歯」といっても状態は一人ひとり違いますので、自分に最適な治療法を知るには、一度専門家である歯科医師に診てもらって判断を仰ぐ必要があります。自費診療であることは覚悟した上で、よく話を聞いて、自分が納得いく満足度の高い治療を受けるのが一番良いのではないでしょうか。
ダイレクトボンディング以外のすきっ歯の治療法としては、次のようなものがあります。

歯列矯正

ワイヤーやマウスピースをつけて歯を動かすことで隙間を埋める方法です。天然の歯の形を変えず、削ったり抜歯したりせずに治療できること、歯並びを総合的に治療できることがメリットです。歯の状態にもよりますが、数ヵ月単位の時間がかかり、費用も平均20万~80万円程度と高めなのがデメリットです。

ラミネートベニア

歯の表面を少し削り、セラミック製の人工歯を貼り付けることで隙間を埋める方法です。セラミック製なので経年劣化の心配はありません。ただ、隙間の分歯が大きくなりますので、隙間が広いときは使えません。また、健康な歯の表面を削るというデメリットがあります。価格は1本あたり10~15万円であることが多いです。

ティーシーズ

プレジール独自の方法で、歯を削らずに患者様専用の創作歯を貼り付ける方法です。ラミネートベニアに似ていますが、歯を削らずに済むのが大きなメリットで、すき間を綺麗に埋める事が出来ます。隙間の分歯が大きくなるので、ラミネートベニア同様、隙間が非常に広い場合は使えません。価格は1本あたり61,000円となっています。

クラウン

すでに過去の虫歯治療で神経を抜いていたり、詰め物をしていたりする場合に採られる方法で、歯を削ってそこにかぶせ物を入れ、隙間をなくす方法です。オールセラミッククラウンを選べば、経年劣化の心配はなく、審美的にも天然の歯と比べて遜色なく仕上がります。1本あたり8~15万円前後であることが多いです。
ラミネートベニア、ティーシーズ同様、すき間を埋めるため、元の歯よりも幅が大きくなります。
すきっ歯治療では、どの方法を選ぶかにより費用も大きく変わってきます。ここに挙げた数字はあくまで目安ですので、一度それも含めて歯科医師に話を聞き、技術的にも価格的にも「これなら納得できる」という治療法を探してみてください。