歯並びが悪い意外と知らない8つの原因と、4つの治療方法まとめ

こんにちは! デンタルサロン・プレジールの歯科医師、中村です。

さて前回に引き続き「ホンネで薦める審美歯科ココだけの話」としてお届けする今回は、「歯並びが悪い原因とその治療法」についてご紹介します。

歯並びが悪くなってしまう原因と治療法について、審美歯科医の目線で、ホンネでお話したいと思います。

意外と知らない?歯並びが悪い2つの原因。どうして歯並びが悪くなるの?

歯並びが悪くなる原因は、遺伝的な要因と後天的な要因の2つに分けられます。

1. 2つの遺伝的要因による歯並びの悪さ

原因1

歯の形や大きさ、あごの大きさ、形の変形(口唇裂・口蓋裂)

原因2

生まれつき歯の数が足りない場合(先天欠如)、多い場合(過剰歯)

2. 6つの後天的要因による歯並びの悪さ

原因1

幼少期からの舌と唇の動かし方が悪い事による原因

原因2

口呼吸(鼻で呼吸が出来ない為に口で呼吸すること)による原因

常に唇を閉じずにポカンと口が開いたままの状態になっている(口唇閉鎖不全)・ 舌の癖(舌が前に押しだす)による原因
同様に食べ物を飲み込む時、舌が異常な動きをする(異常嚥下癖)

原因3

悪い癖(くせ)による原因

子供の頃、ついついやってしまう頬杖や横向き寝、爪噛み、指しゃぶりなども、歯並びとかみ合わせに影響を及ぼします。1や2の悪習慣がある場合には、矯正治療と同時に、舌と唇の機能療法を行ったり、悪い癖を取り除く必要があります。(口腔筋機能療法:マイオファンクショナルセラピー;MFT)
それによって、後戻り現象(治療後に歯並びが崩れること)を防ぐことに繋がるのです。

!余談1!

私が歯科大生時代、矯正歯科でアルバイトをしていたときのことです。ベテランの衛生士さんに、舌の動きの異常を指摘されたことがありました。どうやら、通常の舌の位置よりも前に出過ぎていたようなのです。上記に挙げた口腔筋機能療法を勧められ専門書まで貸していただき、このような舌の異常な動きや飲食物の飲み込み方(嚥下)の異常を知りました。ただ、いまだに完全には治ってはいず、意識的に舌の訓練を行うことは予想以上に辛抱のいることだと実感しました。

原因4

あごの発育不良による原因

あごの発育は、かむ行為によってあごの骨が刺激され、発達が促進されます。
かむ回数が少なくなれば、逆にあごの発育は悪くなります。
現代の食生活はやわらかい食べ物であふれています。幼少期には特にあごの発育を考えて、硬い食べ物をよく噛んで食べる習慣をつけましょう。

!余談2!

ちなみに私は、あごの発達が良すぎて、えらが張っています。女性としては自慢にはなりませんが、確かに幼少期のおやつと言ったら、カチコチのスルメを噛んでいました。そして歯並びもその甲斐あってか、悪くないです。
かむたびに味がにじみだす郷愁のスルメ、現代っ子には見向きもされなさそうですね。スルメじゃなくても、あごの発育を考えた食生活が必要です。

原因5

歯周病による原因

歯周病が原因で、歯を支えている骨が溶けてしまうと、歯がぐらぐらと動きやすくなります。歯周病は痛みを感じにくいため、知らず知らずのうちに歯並びが悪くなっていくことがあります。まずは歯の動きを止める為に、しっかりと歯周病の治療を受けることです。

原因6

その他の原因

  • 乳歯がいつまでも抜けない
  • 乳歯が虫歯などの原因で早く抜けてしまった
  • 軟組織の異常(上下唇小帯の異常)
  • 歯の形・数の異常(多い場合と少ない場合)
  • 永久歯の早期喪失・虫歯・萠出遅延
  • 不適切な詰め物や被せ物
  • 歯の治療を不完全な状態で放置した場合
  • 親知らず(第三第臼歯)
    親知らずがあごの骨の中で横を向いていたり、生えるスペースがない場合など

見た目だけじゃない?歯並びが悪い事で起こる4つのリスクって?

歯並びが悪いことで生じる問題は、見た目の違いだけではなく、全身の健康にまでさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
ここでは大きく分けて4つのリスクについてご説明します。

1. 虫歯・歯周病・口臭

歯並びがわるいと、歯ブラシが細かいところまで届きにくくなり、磨き残しが生じます。その結果歯の表面に歯垢や歯石がたまってしまい、虫歯や歯周病になりやすい環境になってしまいます。
また、上下の噛み合わせが悪い為に、しっかりと噛み合わせることが出来ず、噛むことによって分泌が促進される唾液の量も少なくなります。唾液の量が少ないと、お口の中の自浄作用が低下し、菌が産生するガス(揮発性硫黄化合物)によって口臭を発することにもなります。

2. 胃腸への負担増加

通常、お口の中に入ってきた固形物の食べ物は、奥歯ですりぶされ、唾液とまざりあってやわらかくなった状態で飲み込みます。しかし噛み合わせが悪いことで、食べ物を十分な形にすりつぶすことができません。半固形状の食べ物が胃に送られ、これを消化するのに胃に相当な負担をかけてしまうのです。

3. 顔のゆがみ

噛み合わせが悪いと、かむ力が左右バランス良く加わることができなくなります。そのため左右の筋肉の発達に差が出来、フェイスラインにゆがみを生じる可能性があります。
顔のゆがみだけではなく、全身のゆがみを生じると、慢性的な頭痛やめまいなどの症状に発展することもあります。

4. 発音不良

特に前歯がかみ合わず隙間が空いている開咬やすきっ歯、下顎前突などの場合、サ行やタ行などの発音が不明瞭になることがあります。

悪い歯並びを改善する4つの治療法。

歯並びを良くする方法には以下の4つの方法があります。

1. 歯列矯正

歯並びと噛み合あわせの両方が改善できます。
隙間をつくるために歯を数本抜いて歯列矯正を行います。
(歯並びの程度によっては、歯を抜かずに矯正出来る場合もあります。)

2. クラウン(かぶせもの)

歯並びと噛み合わせを変える事が出来ますが、並びや歯の向きによっては難しい場合もあります。
歯の全周を削って、被せる方法です。歯の向きを変える場合は、神経を取り、土台から向きを変える必要があります。

3. ラミネートベニア

軽度の歯並びの改善と、小さなすき間を埋めることが出来ます。また、歯の色を白くすることも出来ます。
歯の表面を一層削って薄いセラミックのシェルを貼る方法です。

4. ティーシーズ

歯並びの改善と隙間の改善、歯の色を白くすることも出来ます。
噛み合わせは全く変わりません。 歯を削らずに、ラミネートベニア同様の薄いシェルを貼ります。

歯並びの程度によっては両方ともに、ラミネートベニアもティーシーズも対応出来かねる場合がありますが、両者の大きな違いは歯を削るか削らないかです。

【まとめ】自分にあった治療法をお選びいただくために。

歯並びを良くする為の治療法をいくつかご紹介いたしましたが、それぞれメリット・デメリットがあります。

噛み合わせからしっかり治す歯列矯正の場合なら、並びの程度によっては必要に応じて歯を抜かなければなりません。
硬いあごの骨の中で、ゆっくりと歯を動かして行くため、治療期間もだいたい2〜3年は見ておいた方がよいでしょう。
治療費も高額です。
しかし、歯自体の傾きから正せるので咀嚼機能向上はもちろん、その後の長期間無理な歯の傾きのままでかみ続けるよりも、歯への負担は減らせるでしょう。
たとえ歯を抜くケースでもそれ以外の歯でしっかりとかめるようになります。残す歯はほとんど削る必要はありません。

かぶせる方法のクラウンは矯正に比べると治療期間は年単位ではなく月単位となりますが、歯を全体的に削る治療法です。特に歯の向き(軸)を変える場合は歯の神経をとらなければなりません。

軸を変える角度にも限りがあります。既になんらかの治療がされている歯の場合は削ることに抵抗が少ないかもしれませんが、まっさらな健康な歯を削って神経をとることは、元の歯の状態に戻せないためにも、最も不安を感じることでしょう。

一方、見た目だけを改善したい場合は、歯を削る量が最少のラミネートベニアか、歯を全く削らないティーシーズです。
健康な歯は一切、あるいは極力手を加えたくないといった方にはこちらの治療方法が最適と言えるでしょう。治療期間も歯列矯正やクラウンに比べると最短コースです。
特にティーシーズの場合は、歯を全く削っていないので、元の歯の状態に戻ることだって出来てしまいます。歯の治療において元に戻る方法はなかなかありませんよね。

以上、歯並びが悪くなる原因からひも解き、改善するための方法について大まかにご説明させて頂きましたが、ご自分に合った治療方法はこの中にありましたか。
歯科医院を訪ねる前に、まずご自分のご希望が何かを見極めることが大切です。